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オオカミはいつ、どこで犬になったの?

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前回は、「犬の分類がどのように変わったか?」等について書きました。

今回は、「いつどのようにオオカミは犬になったか?」について書こうと思います。

 

オオカミはいつ、どこで犬になったの?

いつオオカミは犬になったの?

カルレス・ヴィラやロバート・ウェインは、「イヌとオオカミのミトコンドリアDNA間に

見られる塩基配列の変異(およそ1%)が自然に生じる」為に「およそ13万5千年という

年月が必要である」と算出しています。

すなわち彼らは「イヌとオオカミは13万5千年に分岐した」と考えたという事です。

ただしこれは、「イヌの祖先が緩やかにミトコンドリアDNAの変異を繰り返したと

仮定した」場合の計算上の数字です。

しかし2頭3頭と増えればそれだけ1%の変異を生めるまでの時間は少なくて済む様になります。
こうした観点から他の研究者達は、「犬の祖先に1頭の突然変異種が入り込んだ」場合「犬の

家畜化(狼が犬になった)の時期は約4万年前にまでずれ込む」と試算しています。

更に他の研究者達は、「複数のオオカミが進化の過程に加わっている」場合「犬の家畜化

(狼が犬になった)の時期は約1万5千年前にまでずれ込む」と試算しています。
この様に「イヌの遺伝子が緩やかに変異したのか突発的に変異したのか」を示す「物証がない」為

現時点では「いつイヌがオオカミから分岐したのか」という時期について推測の域を出ません。

 

どこでオオカミは犬になったの?

「どこで狼が犬になったか?」に関する説は、色々あります。

その中で代表的な説は、次の3つです。

 

・西アジア起源説

約1万2千年前の物と思われるイスラエルのアイン・マラッハ遺跡(Ein Mallaha)でイヌ科の

幼獣(子犬)らしき骨が発見されています。

またこの幼獣に手をかける形で高齢の女性の遺体が発見されました。

この事実から当時の人間がイヌ科動物をある程度手なずけていたと考えられています。

因みにこの遺体は現在パレスチナの「先史人博物館」(The Prehistoric Man Museum)に

展示されています。
こうした考古学的な事実から「犬の家畜化(狼が犬になった)場所は西アジアだと考える」説が、

西アジア起源説です。

 

・多元説

カルレス・ヴィラ氏の研究チームは、ヨーロッパ等から採集した162個に及ぶオオカミの

DNAサンプルを解析してこれらを世界中から集められた67犬種の140個体分の犬の

DNAサンプルと比較しました。

結果は、「現在世界中に存在している犬は全て基本的な4つのオオカミグループから派生した」

という物でした。
この事実から「イヌは特定のオオカミの亜種から派生したのではなく世界中の様々な場所で複数の

祖先を元に発展して来たと考える」説が多元説です。

 

・東アジア起源説

ピーター・サヴォライネン博士らは、2002年にユーラシア大陸に生息する38匹のオオカミと

アジア等から集められた654匹のイヌから採取したミトコンドリアDNAを比較調査しました。

その結果彼は、南西アジアやヨーロッパのイヌに比べて東アジアのイヌにより大きな遺伝的

多様性を見出しました。

遺伝的に多様である状態は、「複数の遺伝子が長い年月を掛けて交じり合った」事を意味します。

つまりそれらの種がより古い起源を持つ事の証拠となります。

すなわち「東アジアにおいてイヌの遺伝子に多様性が見られる」という事実は、「イヌが古くから

この地に生息していた」事を意味します。
この事から彼は、「全てのイヌは約1万5千年前あるいはそれ以前に東アジアに棲息する

オオカミから家畜化された」と考えました。

そして彼は、同時に「家畜化されたオオカミが人の移動に伴って世界各地に広がった」と推論しています。

これが東アジア起源説です。

 

この3つの説の中で有力視されている説が東アジア起源説です。

 

皆さんは、この記事の内容を知っていましたか?

次回は、「人が犬をどのように家畜化したか?」等について書こうと思います。

 

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