yuki

犬はいつどのように多様化したの?

読了までの目安時間:約 6分


前回は、「犬はいつどのように家畜化されたか?」について家畜化の意味を交えながら書きました。

今回は、「犬がいつどのように多様化したか?」について書こうと思います。

 

犬はいつどのように多様化したの?

「先史人が人なつこさや攻撃性の少なさを基準にオオカミの選択繁殖を行った」結果小さな体等

現代の犬に通じる特徴を有した犬の原型が形成されたと考えられています。

この様に当初人なつこさという内面的な要素が繁殖する際の選択基準でした。

この基準は、長い時間をかけて緩やかに見た目といった外見的な要素に置き換わっていきました。

そしてこの繁殖基準の変遷が、地域によって大きな差異の無かった犬の外見に他に類を見ない様な

多様性を持ち込んだと考えられています。

「犬がいつどのように多様化したか?」について以下に示そうと思います。

 

・古代エジプト時代
「古代の犬と現代の犬の一線を画する明確な特徴を持ったイヌが誕生した」時期は、

古代エジプト時代(BC3000~BC30年)です。

遺跡の壁画に現代で言うグレイハウンドやサルーキに似たイヌが描かれていました。

この犬は、細い頭等従来の犬と明瞭に異なる特徴を有していました。

この事から「犬の外見に関して人間が何らかの選別を行っていた」初期の形跡が見て取れます。

 

・古代ローマ時代
古代ローマ時代(BC15~BC7)になると狩猟犬等基本的な犬種の原型が確立した様です。

因みに紀元1世紀頃の文献に牧羊犬や狩猟犬の理想的な形について言及した物があります。

これは、「犬の繁殖に明確に人間が関わっていた」事を示す証拠となっています。

 

・中世
封建制によって支配されていた中世ヨーロッパ(AD13~15)で貴族が台頭しました。

地位と権力の象徴として狩猟が隆盛を極めました。

結果として狩猟のパートナーである猟犬作りに拍車が掛かりました。

鹿狩り用の猟犬(ディアハウンド)や狼狩り用の猟犬(ウルフハウンド)やカワウソ用の猟犬

(オッターハウンド)等目的に合わせた選択繁殖が行われる様になりました。

更に「嗅覚を用いたセントハウンドや視覚を用いるサイトハウンド等のカテゴリが自然発生した」

時期は、この頃だと考えられています。

 

・産業革命時
18世紀から19世紀にかけて起こった産業革命によって生産性が著しく向上しました。

その結果時間とお金をもてあました中産階級の人々がイギリス国内で増加しました。

その結果ほとんどの人がかつて上流階級の代名詞だったイヌを入手出来る様になりました。

それにより人為的に小さな犬を作出するというブームが巻き起こりました。

これが犬種の爆発的な増加を招きました。
その後増えすぎた犬種を整理するためケネルクラブ(犬種協会)が設立されました。

この団体によって犬のあるべき姿を定めた犬種標準(スタンダード)が作成される様に

なりました。

因みに「犬の外見がいかに犬種標準に近いか」を競い合う「ドッグショーが開催される様に

なった」時期は、この頃だと考えられています。

ドッグショーは、人々の社交場として大いに盛り上がりました。

またこのドッグショーに新しい犬種の誕生を更に加速させたという側面があります。

 

・現代

今日世界各国のケネルクラブ(犬種協会)を束ねる国際畜犬連盟 (FCI)は、330以上の犬種を

公認しています。

その多くは、「18世紀に入ってから人間が人為的に作り出した」物です。

2012年にラーソンらは現存している犬たちの目印となるSNPs(一塩基多型)と呼ばれるDNAの一部を解析しました。

結果として彼らは、「現在地球上に存在しているイヌは最古の物でせいぜい500年程度である」と結論付けました。

更に彼らは「その他多くのイヌは150年程度の歴史しか持たない」として産業革命の時期に生じた

犬の作出ブームと符合する結果を導き出しました。

つまり今日ある犬の多様性は、過去150年の間に人間の干渉によって爆発的に拡大したという

事です。
例えば同じ種に属しているに関わらずイヌによってチワワとグレートデンの様な外見上の

大きな違いがあります。

こうした他の動物で見られない様な外見の多様性を生み出した物は、ダーウィンの進化論ではなく人間の干渉と言えます。

また現在豆柴等従来の犬種に無かった様な新しい犬達が続々と誕生しつつあります。

そうした新しい犬達は、かつての先史人の様に人懐こさという単純な基準ではなくより小さな体等

外見的な基準を取り入れながら作り出されています。

そしてその背景に見え隠れする物は、ビジネスです。
「ブリーダーが犬を繁殖して生まれるイヌをペットとして家庭に迎え入れる」という

「ビジネスモデルがある」限りより珍しい毛色の犬等消費者にとって商品価値のあるイヌ達が、

人間の干渉を受けながら今後も絶えず生み出されるでしょう。

 

皆さんはこの記事の内容を知っていましたか?

次回は、犬の種類について書こうと思います。



 

タグ :     

トイプードル

この記事に関連する記事一覧