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犬の分類はどのように変わって来たの?祖先と裏付けられた研究とは?

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前回は、「どのように犬が進化したか?」について書きました。

今回は、「どのように犬の分類が変わって来たか?」等について書こうと思います。

 

犬の分類はどのように変わって来たの?

・1758年
スウェーデンの博物学者・生物学者のカール・フォン・リンネは、

「イヌは尾を高く上げられるという他のイヌ科動物に見られない特徴を有している」

点に着目して独立種 Canis familiarisであると提唱しました。

 

・1787年
イギリスの外科医でジキル博士とハイド氏のモデルとなったジョン・ハンター

(John Hunter)は「イヌはオオカミやジャッカルの間に子を生める」点及び

「生まれた子に生殖能力がある」点に着目して「イヌとオオカミとジャッカルは

同一種である」と提唱しました。

 

・1868年
進化論の著者として有名なダーウィンは、犬の分類に関して態度を保留して「おそらく

犬の祖先を正確に見極める事は出来ないだろう」と言いました。

 

・1950年代
鳥の刷り込みの研究で有名なノーベル生理学・医学賞受賞者のコンラート・ローレンツは、

「オオカミとジャッカルの両方が犬の祖先である」と提唱しました。

しかし1975年に彼は「ジャッカルにイヌや狼に見られない独特な吠え方がある」事に着目して

前説を撤回しています。

 

・1993年~現在
ドン・E・ウィルソンとディーアン・M・リーダーは、2000ページに及ぶ大著世界の哺乳動物:

分類学および地理学的リファレンス」内で「イエイヌはタイリクオオカミの亜種である」と

しました。

これを機に犬の学名は、Canis lupus familiaris とされました。

Canis lupus はタイリクオオカミの学名です。

familiarisはラテン語で家庭に属するという意味です。

なので Canis lupus familiaris 強引に訳する場合は、家庭に属したタイリクオオカミと

なります。

 

タイリクオオカミがイヌの祖先と裏付けられた研究とは?

・1993年
ロバート・ウェイン氏(Robert Wayne)は、イヌ科動物をミトコンドリアDNA配列による

比較研究によって「イヌはタイリクオオカミと最も近縁でありコヨーテ等と少し離れていた」と

発表し「イヌとタイリクオオカミがお互いの子を作れる」事や「両者の間に出来た子供が

生殖可能である」という事実から「イヌとタイリクオオカミは遺伝学的に同じ動物である」

という結論に至っています。

 

・1997年
カルレス・ヴィラ氏(Carles Vila)は、今の所最も包括的な犬の祖先に関する研究を行った

人物であり「犬の祖先はオオカミ以外にありえない」という結論を最初に導き出した人物です。

彼は、ヨーロッパ等27地域から採集した162個に及ぶオオカミのミトコンドリアDNAサンプルを

解析してこれらを世界中から集められた140個体(67犬種)の犬のミトコンドリアDNAサンプルと

比較しました。

結果は、「現在世界中に存在している犬は全てそれぞれ単独の4つの祖先から派生した」という物でした。
その中でも最も大きなグループにディンゴ等最も古いと目されている犬種が含まれています。

このグループは、オオカミに近いDNAシークエンスを有しています。

またこのグループにコリーやレトリバー種等現存している犬の多くが含まれます。

更に「このグループのミトコンドリアDNAに特有のある配列は、比較対象となった162頭の

オオカミに全く存在していない」という事実が明らかになりました。

この事は、「現在世界中に存在している犬の大部分はオオカミの祖先とはるか昔に分岐して

全く別の個体を祖先としている」という事を物語っています。

 

この2つの研究から以下の事が言えます。

まずオオカミと少し違ったミトコンドリアDNAを有する犬の祖先種が生まれました。

たった1頭生まれた変異種が他の個体と交配する事により新たな系統を作り出したのかそれとも

偶然が重なったのか同じ時期に4頭の変異種が生まれたのかは分かりません。

しかしこの突然変異種が互いに独立した4つの系統を作り今日存在している全ての犬の祖先4系統に

なりました。

 

ミトコンドリアDNAとは?

ミトコンドリアは、1つ1つの細胞中に存在している独立した内燃機関の様な物です。

その働きは、主として酸素からエネルギーを作り出す事です。

生物は、細胞核中のDNA(核DNA)とミトコンドリアDNA(mtDNA)を保有しています。

核DNAは両親から受け継いだDNAのミックスです。

mtDNAは母親の物をそっくりそのまま子供に継承します。

この特性は「子供のmtDNAと母親のmtDNAが異なる」場合「それは突然変異以外

ありえない」事を意味しています。

 

皆さんはこの記事の内容を知っていましたか?

次回は、「いつどのようにオオカミが犬になったか?」について書こうと思います。



 

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