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犬はどの様に産熱しているの?

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前回は、「犬は寒い時どの様に体温調節をしているか?」

について特に「犬はどの様に保温しているか?」について

書きました。

また前回は、「犬はどの様に産熱しているか?」についても

少し書きました。

今回は、前回の続きで「犬はどの様に産熱しているか?」

についてもう少し書こうと思います。

 

犬はどの様に産熱しているの?

・自発的な運動

動物の体温における産熱は、黙っていても自動的に行われる化学反応(基礎代謝)と
食事をとった後の栄養の代謝と筋肉の収縮等によって行われます。
「外の環境が寒い」時に特に役立ってくれる物が筋肉の収縮です。
人間で言うとこれは、おしくらまんじゅうです。
犬において歩き回ったり走り回ったりする事で「筋肉が収縮する」為に体内で産熱が
行われます。
例えば吹雪の中を長時間にわたって走り続ける犬ぞりレースで多い犬の症状は、
「体温が下がり過ぎる」低体温症ではなく「体温が上がりすぎる」熱中症です。
こうした「奇妙な現象が起こる」理由は、激しい運動によって体内で行われる活発な
産熱です。

・シバリング

自発的な運動は動き回ろう!という意志を必要とします。
「そういう意志がない」状態で自動的に発生する運動が、シバリング
(shivering, 震え)です。
これは、人間で言うと「寒くてあごや手足が勝手にガクガク震える」状況です。
室温19℃(湿度30~75%)という寒い環境内で低体温に陥った犬を対象として
行われた観察でシバリングなしの状態で2時間暖かい空気を吸引させた所直腸温の上昇が
0.26~0.39℃/時でした。

また室温19℃(湿度30~75%)という寒い環境内で低体温に陥った犬を対象として

行われた観察でシバリングなしの状態で2時間暖かい空気を吸引させた所

食道温の上昇が0.44~1.11℃/時でした。

一方シバリングありの状態で同様の復温を行った所直腸温の上昇が2.26~2.33℃/時でした。
またシバリングありの状態で同様の復温を行った所食道温の上昇が1.96~2.38℃/時でした。

 

・褐色脂肪細胞
褐色脂肪細胞は、「冬眠動物が体の中に持っている」脂肪細胞の一種です。
この細胞は「鉄分や血管が多く含まれている」為肉眼で褐色に見える事からこう呼ばれています。
主な役割は「細胞内に含まれるミトコンドリアで熱を生み出し冬眠している間に動物が
凍えてしまわない様にする」事です。
この細胞は、「体の中に小さな電気あんかが埋め込まれてる」状態をイメージすると良いです。 
この細胞は冬眠動物のみならず犬等の新生子で確認されています。
逆の言い方をするとこれは、大人や成犬になると消えてしまうという事です。

 

フランスにある分子内分泌研究センターのチームで行われた成犬を対象とした調査により
「この細胞は跡形もなく消えてしまうのではなくただ単に休眠状態にある」だけで特殊な
薬によって再活性化させられるという可能性が示されました。
このチームは、13.0~16.8kgのビーグルを4頭ずつ 2つのグループに分け褐色脂肪細胞を
活性化するβ3アドレナリン受容体活性剤を交互に投与して体重や胴回りをおよそ1年に渡って
計測し続けました。
その結果活性剤を投与されたグループにおいて酸素消費量の上昇と胴回りの減少が
確認されました。

 

こうした結果から調査チームは、「子犬の頃に保有している褐色脂肪細胞は成長するにつれて
なりを潜めて行くけれどβ3アドレナリン受容体を活性化する事によって再び目を覚まし
体内における代謝を増加させる可能性がある」事を示しました。
「褐色脂肪細胞が子犬の体内における産熱に関わっている」事は確かです。
「この細胞が成犬の体内で同様の役割を担っているかどうか」は不明です。
「この細胞が休眠状態にある」という事は極限状態に陥った時に目を覚ましてくれる可能性を
示唆しています。

 

皆さんはこの記事の内容を知っていましたか?


 

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