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鼻呼吸と外側鼻腺の関係は?口呼吸と舌の関係は?

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前回は、「犬が暑い時にどの様に体温調節をしているか?」という事について書きました。

今回は、それに関係する事について書こうと思います。

 

鼻呼吸と外側鼻腺の関係は?

外側鼻腺は鼻で呼吸をしている犬における主要な体温調整器官で犬の鼻の奥にあり体液を

分泌していて鼻腔開口部からおよそ2cm内側第四前臼歯の上あたりに位置しています。

 

汗を分泌する汗腺は一般的に肉球にしかないと考えられています。

実はこの外側鼻腺こそ犬における真の汗腺なのではないかと考えられています。

外側鼻腺における体液の分泌量は、「空気の温度が10℃である」時にゼロなのに対して

「空気の温度が50℃である」時9.6 g/時に増加します。

 

また鼻呼吸を通して左右の外側鼻腺で行われる水分の蒸散は、口呼吸を通して行われる蒸散の

19~36%に相当します。
鼻の中に分泌液を放出して気化熱で体温を下げるという仕組みは、「暑い時に人間が汗をかき

気化熱によって体温を下げようとする」メカニズムにそっくりです。

この事実により犬にとっての汗腺は、滑り止めとして働いている肉球の汗腺ではなく鼻の

奥にある外側鼻腺であると言い換えられます。

この様に外側鼻腺と鼻呼吸は、鼻腔に分布した静脈血を気化熱で冷やす事によって脳に対する
熱ダメージを陰ながら防いでくれています。

頚動脈奇網とは?

犬の脳の中にヒツジ等の動物で見られてヒト等の動物で見られない不思議な器官があります。
それが頚動脈奇網(けいどうみゃくきもう)です。
「血管が網目状に広がっている」この器官は、首を通る太い動脈(頚動脈)に連なって脳の
中心部にある海綿静脈洞と呼ばれる部位を通過します。
この海綿静脈洞は「鼻の中(鼻腔)に分布する静脈が合流する」ターミナルの様な場所です。
つまり鼻呼吸によって冷やされた静脈血がここに集まります。
平たく言うとこの器官は脳の中にある冷たいプールの様な場所です。
頚動脈は海綿静脈洞に入った途端まるで網を広げる様にガバッと枝分かれして頚動脈奇網を
形成します。
これは熱い動脈血と冷たい海綿静脈洞の接触面積を増やす事で効率的に血液を冷やす為の
構造です。
静脈洞でほどよく冷やされた動脈血はその後脳内に入り神経細胞に酸素や栄養を与えます。
つまり頚動脈奇網と海綿静脈洞は、脳内におけるラジエーターとして機能しています。

口呼吸と舌の関係は?

「犬が暑い時に舌をだらりと垂らす」理由は、そこに温まった血液を集めて余分な熱を
外界に放出しようとしているからです。
麻酔をかけられた状態の犬を対象としてある観察が行われました。
その結果は以下の通りでした。
・呼吸数が60回/分のとき
舌の血流量 20ml/分
・体温調整中枢に温かい血液が流れ出した時
舌の血流量 60ml/分
そして「血液の温度が平熱に近づく」に連れて舌の血流量は5分以内に元のレベルに戻りました。
「犬が暑い時にハーハーと喘ぐ様な息をする」理由は、舌や口の中にたまった唾液に息を当て
気化熱によって余分な熱を外界に放出しようとしているからです。
目を覚ました状態の犬を気温20℃(湿度30%)の環境に置いて犬の観察がされました。
その結果は以下の通りでした。
・舌の平均血流量 11ml/分
・舌の動脈と静脈における温度差 1℃
この時に「犬の口は閉じられていた」為1分間に48.6Jの放熱が起こっていると推計されました。
次に犬を気温38℃の環境に置いて犬の観察がされました。
「口を開けてハーハーと荒い呼吸(パンティング)が始まった」後舌の血流量は安静時の
5倍以上に相当する60.4ml/分に激増して1.5℃の舌の動脈と静脈における温度差になりました。
そして放熱量は平均して400.7J/分で安静時の8倍に相当する値でした。
更に「パンティングがピーク(272回/分)に達する」と同時に平均血流量(74.7ml/分)や
放熱量(496.2J/分)が最大に達しました。
パンティングは「犬が口呼吸をしている」時における主要な体温調整メカニズムで「犬が口を
開けて舌をだらりと垂らしハーハーと激しく呼吸する」事で中枢神経の橋(きょう, pons)と
呼ばれる部分によってコントロールされていて前回紹介した「犬が見せる」3種類の呼吸法の内
循環呼吸と鼻口呼吸法において出現します。

皆さんはこの記事の内容を知っていましたか?

次回も引き続き犬の体温調節に関する事について書こうと思います。

 

 

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