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攻撃行動とは?

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皆さんは、攻撃行動という言葉を知っていますか?

実は、攻撃行動って分類出来るんです。

攻撃行動は、いくつに分類出来ると思いますか?

攻撃行動を直す方法は、何だと思いますか?

という事で今回は、「攻撃行動」について書こうと

思います。

 

攻撃行動とは?

犬の攻撃行動にうなる・吠える・噛む等の行動が、含まれます。

 

たとえば「日常生活中で以下の様な行動が犬に見られる」時は、

動物行動医学の領域で攻撃行動とみなされます。

 

・家の敷地内に誰かが足を踏み入れるとうなったり吠えたりする
・犬用ガムを奪い取ろうとすると飼い主にうなる
・見知らぬ人が部屋に入ってきたらうなる
・エサの入った皿を取ろうとするとうなる
・散歩中にすれ違った犬にうなる
・ソファーからどくように命令した飼い主にうなる
・先住犬が新米犬にうなったり吠えたりする
・道路を走っている自動車やジョガーを吠えながら追いかける
・車にはねられた犬が人に噛み付く
・頭をなでようとした子供の手に噛み付く
・動物病院で他の犬に激しく吠える
・子犬が遊んでいる最中に飼い主の手を噛む
・子犬を産んだばかりの母犬が飼い主にうなる

 

敵対行動は、争いに関連する行動全般を指す言葉で具体的に言うと

威嚇や逃走や服従や攻撃等を含みます。

「ただ単に攻撃行動という場合はうなったり歯をむき出したり

吠えたりという威嚇行動や実際に噛み付くという闘争攻撃を

限定的に意味する」事が、多いようです。

 

攻撃行動を分類すると?

・遊び攻撃行動

これは、遊びの延長として見られる攻撃行動で通常子犬や若い犬に見られ

人間や他の犬と遊んでいる間に吠えたりうなったり歯を当てたり等の行動を

見せ人の手や足や衣服をとらえるのに歯を用います。

またこれは、社会化期における他の犬との接触不足によってなります。

 

・母性による攻撃行動

これは、「母犬が子犬やおもちゃを守ろうとする」時に見せる攻撃行動で

妊娠・出産・想像妊娠等体内におけるホルモンバランスの変化に伴い現れ

「人間が子犬に近づいたり抱き上げようとする」とうなり声を上げたり

噛み付いたりします。

 

・恐怖性攻撃行動

これは、「恐怖が限界に達した」時に出る攻撃行動で苦痛を伴う医学的な治療や虐待や

不適切な罰を原因として追い詰められた時に出易いとされます。

 

・疼痛性攻撃行動

疼痛は、じっとしていても起こる痛みです。

これは、「病気や怪我等によって体の一部や全身に痛みが発生している」時に出る

攻撃行動です。

 

・縄張り性攻撃行動

これは、縄張りを守る為の攻撃行動で縄張りの外にいる動物に対して無反応で縄張り内に

いる動物に対して激しい威嚇をする事を言います。

 

・防護的攻撃行動

これは、飼い主や同居犬を守るための攻撃行動で防護する人と敵の間に立ちふさがる行為を

言います。

 

・犬同種間攻撃行動

これは、オス犬同士やメス犬同士が社会的階級性を競い合って互いを攻撃する事で

年老いた犬や病弱な犬等身体的に弱っている犬を攻撃対象にします。

 

・転嫁性攻撃行動

これは、全く無関係な人や犬を攻撃対象とする事で攻撃行動を邪魔されたり

怒られている時に本来のターゲットからそれてまったく別の対象を攻撃する事です。

 

・食物関連性攻撃行動

これは、自分の確保している食物に対する脅威を感じた時に見せる攻撃行動で「食事中に

他の犬や人が近づいたり視界に入った」時にうなり声を上げたりスナップ

(歯をカチッと鳴らす事)をする事です。

 

・所有性攻撃行動

これは、自分の確保している所有物に対する脅威を感じた時に見せる攻撃行動で

「おもちゃを飼い主が取り上げようとした」時等にうなったり噛み付こうと

したりする事です。

 

・捕食性攻撃行動

これは、「野生の犬が獲物を殺す」時に見せる攻撃行動で小動物の急な動き等を契機として

飼い犬に発生し忍び足で近づきよだれを垂らしながら獲物を見つめたり首筋に噛み付いて

振り回したりする事です。

 

・優位性攻撃行動

これは、社会的序列や相手と自分の関係において優位性を築こうとする時に見せる事で

90%近くのオス犬で社会的に成熟する18~36ヶ月齢に起こり同じ家系に多く見られるので

「遺伝的な要因が関係している」と研究者の間で推察されています。

 

・特発性攻撃行動

これは、「原因が明確ではない」突発的な攻撃行動の事を指してんかん等脳の器質的な疾患の

他に「何らかの薬剤が原因になる」可能性を持っています。

2016年に糖質コルチコイド薬の投与によって攻撃性の増加や活動性の低下といった

「行動変化が引き起こされる」事が、分かっています。

 

攻撃行動を修正する事を難しくしている原因ついて

攻撃行動を修正する事を難しくしている原因は次の通りです。

 

・攻撃行動の要因が複数存在している。

たとえばアメリカのペンシルバニア大学獣医学部付属動物病院(VHUP)の中で

最も多い攻撃行動は「優位性攻撃行動」(20%)と「恐怖性攻撃行動」(10%)です。

しかし単一の原因から起こる攻撃行動はむしろまれです。

多くの場合複数の要因が絡んでいます。

攻撃行動診断で最も多い物は、4タイプ併発です。

最多記録は、9タイプ併発です。
原因によって微妙にしつけの方法が変化します。

なので杓子定規な訓練法だけだとなかなかうまくいかない事があります。

 

・攻撃行動を放置していた期間が長い。

一般的に以下に述べる条件を満たしている時にしつけや行動修正プログラムに対する

リアクションが、良いとされます。

1.攻撃行動の開始時期が遅い
2.攻撃行動の発現から日が浅い
3.攻撃行動がまれである
4.攻撃行動の継続時間が短い
5.攻撃行動の対象が少ない
6.攻撃行動の診断タイプが少ない
7.「しつけに対する家族の意識が高い」為家族が医者の診断に従う

 

・犬が、悪い早期環境で育っている。

犬の置かれた早期環境すなわち社会化期における過ごし方が犬の性格に多大なる影響を

及ぼし後のしつけに対するリアクションを大きく左右します。

 

たとえば哺乳類を用いた実験で以下の様な事例が確認されています。
1.仲間から隔離されたマウスは激しい攻撃行動をする。
2.メスだけに囲まれて育ったオスのマウスは成熟してから激しい攻撃行動をする。
3.仲間から隔離されたアカゲザルは激しい攻撃行動をする。
4.子供のマウスを攻撃的でない母親から攻撃的な母親に育てさせると子供のマウスが

攻撃的になる。

 

マウスやサルだけでなく犬で性格に変調をきたす例が確認されています。

たとえばスコットとフラー(1965)による実験結果は次の通りです。

人と接触する機会をまったく与えられずに生後14週まで過ごした子犬は、

その後いかにハンドリングして社会化しようとしても人に懐かず人に対する社会化を

出来ませんでした。

 

また12週齢以降に犬舎という比較的拘束された環境に犬を入れっぱなしにすると

見慣れない新しい状況に対して異常に臆病な行動を取る犬舎犬症候群

(kennel dog syndrome)は有名です。

 

これらは「社会化期を間違った形で過ごしてしまった」犬が、不健全な性格を

形成してしまう典型例といえます。
この様に「犬の早期環境がどのような状態だったか」によってその後の犬の性格が

大きく左右されます。

 

もし「人間や他の犬の交流が極端に少ない」異常な環境で「犬が育っていた」場合

しつけによって攻撃行動を修正する事は極めて難しいです。

 

攻撃行動を直す方法は?

攻撃行動を直す方法は、次の通りです。

 

・犬の行動クリニックへ犬を連れて行く

行き当たりばったりで的外れなしつけを行っていると時に犬の攻撃行動を

逆に助長してしまう事があります。

 

そういう場合は臨床行動学の専門家に頼る事を必要とします。
専門家に頼るメリットとして命に関わる様な咬傷事故を予防してくれる事や素人に

「看破する事が難しい」攻撃行動の原因を的確に把握してくれる事や最も効果的と

思われるしつけ方法をアドバイスしてくれる事や場合によって

「投薬治療が可能である」事等が挙げられます。
たとえば首都圏で東京大学・獣医動物行動学研究室が犬の問題行動診療を

行っています。

 

またここは行動診療を看板に掲げた動物病院や「ほめてしつける」を

基本方針としたドッグトレーナーリストを持っています

なのでこれは、選択肢として覚えておくと役立ちます。

 

ただししつけ教室にせよ行動クリニックにせよ犬を力で制圧したり体罰を

用いる手法を採用している様な所は避けると無難です。
臨床行動学は、動物の問題行動を専門に扱う学問であり人間界でいう

「精神神経科」や「心療内科」に相当する分野です。

この分野は、「人と動物の双方がストレスフリーで幸せと感じられる」

生活環境を実現する事を最終目標としていて「日本で2013年秋に第一回

獣医行動認定医試験が行われた」比較的新しい領域といえます。

 

・行動修正プロトコール

「動物行動医学」の著者であるKaren Overall女史は、

「攻撃行動は糖尿病と同じく完治出来ない」

「大多数の症例において症状を緩和する事が出来る」

「飼い主の協力と努力の大きさが治療成功の為の

唯一最大の決定因子である」として「飼い主の

やる気こそが犬の問題行動を修正する際に最も大事な

要素である」事を強調しています。
「彼女が具体的に実践している」物は

行動修正プロトコールという物です。

(プロトコールは手順書という意味です)

 

これは、1981年に問題行動治療の先駆者である

ヴィクトリア・ヴォイスによって最初に提唱されました。

 

またこれは後にイアン・ダンバーやブルース・フォーグル等

世界的に著名な獣医で協働して改変を加えたしつけ界の九九

の様な物でアイコンタクト・オスワリ・マテという動作を

基本として散歩・おもちゃ・遊び・食事・睡眠等

「犬が要求している」事を叶える前に必ず基本動作を取らせ

「飼い主の指示に従わないと何一つ欲しい物が手に入らない」と

学習させる事を狙いとしています。
この手法は、「V.ヴォイスが標榜した」Nothing in life is free

というスローガンを直訳して生涯ただの物等ない法と称されます。

 

行動修正プロトコールの主な効果と役割は以下の通りです。

 

1.地位の把握

犬はオスワリやマテをする事で「飼い主が上位である」事や

「自分が下位である」事を自然に理解します。

これは、「下位の者が上位の者に対して下から見上げる」という

行為を自然界において一種の服従のサインと見なせるという事です。

足腰の悪い犬の場合はフセで代用します。

 

2.行動の指針を示す

適切な行動をする事に不安を持っている犬に安心感を与える事が

できます。

動に不安を抱えている犬の心境は、「誰でもいいから対処法を

教えて!」という言葉の通じない外国でパスポートを失くした時の

人間の心境に近いかもしれません。

こういう時人は、指示を求めたくなります。

 

3.リラックス

オスワリやマテをしている犬は走り回っている犬より生理学的

(神経的・内分泌的)に落ち着いた状態にありこうした体勢を

取る事で自然と心身共に沈静化する様になります。

 

4.報酬を得る

犬は、オスワリやマテを通じて「飼い主の要求に従い指示を待ち

服従するとほうびが貰える」事を学習していきます。

要するに「欲しい物がある」時に飼い主の指示に従えば良いという

思考回路が固まってきます。

 

この様に犬の願いを聞き入れる前に必ずアイコンタクト・オスワリ・

マテ・フセという指示に従わせる事は、あらゆる攻撃行動に対して

大なり小なり効果を持っています。

 

こうした基本プロトコールと脱感作や逆条件付けというアプローチ法を

組み合わせて原因や状況に応じた行動修正をしていく事が、

犬の攻撃行動に対する正攻法です。

 

脱感作は、犬の問題行動を誘発する刺激を程度の軽い物から重い物に

段階的に繰り上げて徐々にならせていく手法です。

 

逆条件付けは、犬の怒りや恐れを誘発する刺激を逆に犬にとって

心地よい物として学習し直させる手法です。

 

皆さんは、この記事の内容を知っていましたか?

私は、この記事を参考にして愛犬の攻撃行動を直したいと思います。

皆さんもこの記事を参考にして愛犬の攻撃行動を直して下さい。

次は、「犬の幸せとストレス」について書こうと思います。

 

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