犬はどんな食べ方や飲み方をするの?食べ物の味わい方は?嗜好性は?

前回は、犬の唾液について書きました。
今回は、犬の食べ方等について書こうと思います。
犬はどんな食べ方や飲み方をするの?
犬の歯列で発達している物は、草食動物にある様な臼歯
(きゅうし・すりつぶす為の歯)より肉を引き裂く為の
裂肉歯(れつにくし)です。
つまり犬は、物をよく噛んで食べるのではなく口に入る
大きさに引き裂いたらそのまま丸飲みします。
これは「悠長によく噛んで味わって食べていたら外敵や
兄弟に餌をとられてしまう危険性のあった野犬の頃の
習性が残っている」為や条件反射で一気食いをしてしまう
と言われています。
犬は、汗をかきません。
なので人間に比べると体内から出て行く水分量が比較的
少ない動物です。
しかし体温調整する際はパンティング(panting/
あえぎ呼吸)という方法によって唾液を気化させます。
なので定期的に水分を補給しなければ脱水症状に陥ってしまいます。
犬は水分を補給する時に舌を後方に巻き込んで柄杓(ひしゃく)の
様な形を作って水を汲み取ると考えられていました。
しかし2014年に行われた研究によると犬の舌の形は柄杓の役割をする
というより効率的に水柱を作る為の様です。
水柱は、「舌先が水面から勢いよく離れる」瞬間に出来る円柱状の水の
塊です。
なお犬や猫等肉を主食とする動物は、水にだけ反応する特殊な味蕾細胞を
持っています。
それは、水を飲む時に少しだけ丸める舌の先端に存在しています。
「甘い物や塩辛い物を食べた後にとりわけ細胞の感度が良くなる」という
事実からこの細胞は、水をすばやく摂取して体液の水分バランスをいち早く
回復させる為に発達した特殊細胞だと思われています。
犬の食べ物の味わい方は?犬の嗜好性は?
犬の舌は、人間ほど敏感ではありません。
しかし全く味を感じないわけではなく甘さ・しょっぱさ・苦さ・すっぱさを
感じる事が出来ます。
また犬のしつけ用品にビターアップル(直訳 苦いりんご)があります。
これは犬の持つ味覚に苦味という不快な刺激を与える事を目的としています。
人間は食事を五感を全て用いて楽しめます。
しかし犬は、匂い>食感>味>見た目の順で餌(エサ)を吟味します。
なので犬の前に綺麗に盛り付けしたフランス料理を並べても匂いを嗅いだら
大したありがたみもなくあっという間に平らげてしまうでしょう。
つまり犬にとって「食べる事が出来るかどうか」が問題です。
「きれいかどうか」や「おいしいかどうか」という事はそれほど重要ではありません。
そうでなければ犬は、腐っている物や自分の糞を平気で食べないでしょう。
また過去に行われた幾つかの実験により犬の食べ物に対する嗜好性がわずかながら
判明しました。
ずいぶん古い研究の為現代の犬にそっくりそのまま当てはまるかどうかは微妙です。
・好きな肉
牛肉>豚肉>ラム肉(羊肉)>鶏肉>馬肉
・エサの水分含量
半生タイプのエサ>乾燥タイプのエサ
・調理の有無
出来合いの缶詰肉>その場で調理した肉>生肉
・食べ物の温度
温かい物>冷たい物
皆さんは、この記事の内容を知っていましたか?
次回は、「犬は飼い主の手から直接与えられた食べ物なら何でもおいしく感じるのか?」
等について書こうと思います。