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動物愛護に関わっていると必ず出会う倫理的な問題とは?考え方は?

読了までの目安時間:約 6分


前回は、個人でノーキルポリシーを推進する方法について書きました。

今回は、動物愛護に関わっていると必ず出会う倫理的な問題について

書こうと思います。

 

動物愛護に関わっていると必ず出会う倫理的な問題とは?

一口に動物愛護と言っても全ての動物に配慮するという動物の権利

(アニマルライツ)という立場から主として犬等のペット動物に

主眼を置く動物の福祉(アニマルウェルフェア)という立場まで

様々な立場があります。

「個人がいったいどの立場で動物愛護の関わるか?」に関してそれは、

個々人の倫理観に任されます。

 

以下は、動物愛護に関わっていると必ず出会う倫理的な問題です。

 

・実力行使は容認されるの?

・他人に価値観を押し付ける事はして良いの?

・動物に人間の価値観を当てはめる事はして良いの?

・愛護精神に格差は付けて良いの?

・動物種によって差別はして良いの?

・動物より人間を助ける事が優先されるべきではないか?

 

動物愛護に関わっていると必ず出会う倫理的な問題の考え方は?

上記で示した通り「~はすべき/~はすべきでない」や「~がよい/~が悪い」等倫理や道徳を

含んだ問題を考える事は非常に困難です。

この様な問題の考え方は以下の通りです。

 

・実践的三段論法

何らかの価値判断を伴う問題を考える時は、実践的三段論法と呼ばれるモデルを良く使います。

以下は、例です。
◊大前提 全ての生き物は平等に扱うべきだ
◊小前提 犬と牛と豚は同じ生き物だ
◊結論  犬と牛と豚は平等に扱うべきだ
大前提の部分に価値判断を含む文章(~すべき/~すべきでない/~がよい/~が悪い)を当てはめて
小前提に事実を含む文章を当てはめると思考がスムーズに行きます。
この方法は、「大前提と小前提が正しい」場合「必然的に結論は正しくなる」という構図に
なっています。
また逆に「大前提と小前提のどちらかもしくはその両方が間違っている」場合「必然的に結論は
間違いである」という事が分かる様になっています。
この方法は、複雑な問題をパーツに分解して考える時に非常に役立つ思考モデルです。

 

・普遍化テスト

上で示した実践的三段論法は常に正しい訳ではなく大きな矛盾や間違いを内に秘めています。

この矛盾や間違いを浮き彫りにする際は、普遍化テストという思考モデルをよく用います。

これは、簡単に言うと極端な物を含めていろいろな状況を考えてみるという物です。
例えば上記した「全ての生き物は平等に扱うべきだ」という大前提に対して普遍化テストを行う際

「どれか一つだけをこの世に残してその他は全て消される」という極端な状況を考えてみます。

生き物の選択肢は花やバクテリアやアリやゴキブリやトカゲやナメクジやドブネズミやキツネやネコや

イヌやウシやブタや通り魔殺人鬼や動物虐待者や見知らぬ人や顔見知りの人や友人や親戚や恋人や兄弟

姉妹や親や祖父母とします。

この世に残るどれか一つを選ぶ人物は自分です。

 

さて「全ての生き物は平等に扱わなければならない」という「大前提が正しい」場合上記した選択肢の

間に差がありません。

上記の生き物は、どれでも均等に選ばれるという事になります。

しかし生き物の間で全く格差を作らないという事は、本当に可能なのでしょうか?

言い換えれると自分の親よりバクテリアを選んだり恋人よりゴキブリを選ぶという判断が、本当に

ありうるのでしょうか?

多くの人は、それに対して困難を感じると思います。

ほとんどの場合その動物と一緒に過ごしてきた時間等人それぞれの判断基準により生き物の間に優先

順位をつける事が現実だと思われます。

 

この方法により「全ての生き物は平等に扱うべきだ」という実践的三段論法の大前提がかなり怪しく
感じられます。
それにより「全ての生き物を救う事が出来ない」と分かっている場合「私達は生き物の間に何らかの
優先順位を付けなければならない」という「大前提の方が正しいのではないか?」という考えが
導き出されます。
すると先に挙げた三段論法は以下の様に修正出来ます。
◊ビフォー

♦大前提 全ての生き物は平等に扱うべきだ

♦小前提 犬と牛と豚は生き物だ

♦結論  犬と牛と豚は平等に扱うべきだ

 ↓

◊アフター

♦大前提 「全ての生き物を救う事が出来ない」と分かっている場合私達は生き物の間に何らかの

     優先順位を付けなければならない

♦小前提 犬と牛と豚は生き物だ

♦結論  「全ての生き物をを救う事が出来ない」と分かっている場合私達は犬や牛や豚の間に

     優先順位を付けなければならない

 

皆さんは、この記事の内容を知っていましたか?

次回はノーキルポリシーを実践している団体について書こうと思います。

 

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犬の耳の内部構造は?役割は何?

読了までの目安時間:約 4分


 

 

 

前回は、犬の耳の形について書きました。

今回は、犬の耳の構造について書こうと思います。

皆さんは犬の耳の構造についてどのくらい知っていますか?

 

犬の耳の内部構造は?役割は何?

犬の耳の構造は、外耳・中耳・内耳という構成です。
また犬の耳は、ごみや虫の侵入を防ぐ為に耳の中に毛を生やしています。

 

・外耳

外耳は、体の表面についていて目に見える部分で耳介(じかい)と

呼ばれる耳のひらひら部分や外耳道(がいじどう)と呼ばれる音の

通り道や耳介筋(じかいきん)と呼ばれる耳介を動かす部分から

成り立っています。

 

犬の耳介は、耳介軟骨を含んでいます。

この形状によって犬の耳の形が大きく変化します。

また特定の犬種において断耳といって人為的に耳介軟骨を切り落とし

耳を立たせるという慣習があります。

しかし近年は動物愛護の観点から欧米の多くの国で禁止される様になって

来ました。

 

犬の外耳道は、音(振動した空気)の通り道で垂直部と水平部に分かれていて

両者の間に屈曲部と呼ばれる部分を含んでいて簡単に言うとL字型になっています。

耳道の突き当たりに鼓膜があります。

その為私達は、直接鼓膜を目視出来ません。

「ここに炎症が起きた」状態が、外耳炎です。

 

・中耳

中耳は、鼓膜(こまく)と呼ばれる音を捉える為の器官や中耳腔(ちゅうじくう)と

呼ばれる鼓膜の奥の空洞状になっている部分や耳小骨(じしょうこつ)と呼ばれる

鼓膜に伝わった空気の振動を増幅して内耳に伝える働きを持つ部分や耳管(じかん)と

呼ばれる中耳腔から伸びて鼻腔や咽頭に繋がっている管から成り立っています。

 

鼓膜は、大きな音の衝撃に耐えられる様に少し窪んだ形をしています。

鼓膜の外耳道側は皮膚と同じ構造をしています。

鼓膜の内側は粘膜で覆われた構造をしています。

 

中耳腔は、別名で鼓室(こしつ)と呼ばれます。

「ここに炎症が起こった」状態が中耳炎です。

 

耳小骨は、槌骨(つちこつ)・砧骨(きぬたこつ)・鐙骨(あぶみこつ)の3つからなる

小さい骨です。

槌骨は、鼓膜の振動を直接受け止めます。

砧骨は、槌骨からの振動を受け止める働きをする。

鐙骨は、槌骨からの振動を内耳に伝えます。

 

・内耳

内耳は、前庭窓(ぜんていそう)と呼ばれる鼓膜の振動を内リンパの振動に変える部分と

蝸牛管(かぎゅうかん)と呼ばれる前庭窓からの振動を中枢神経に伝える部分と骨半規管

(こつはんきかん)と呼ばれる複雑な形の側頭骨の腔で構成されています。

 

皆さんは、この記事の内容を知っていましたか?

私は、この記事作成を通して初めて知りました。

次回は、犬の聴覚について書こうと思います。

 

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声帯切除手術のリスクや副作用は?声帯切除に対する各国の対応は?

読了までの目安時間:約 7分


 

 

 

前回は、声帯切除の目的等について書きました。

今回は、声帯切除のリスク等について書こうと思います。

声帯切除手術のリスクや副作用は?

 

声帯切除のリスクや副作用は、次の通りです。

 

♦循環器障害等の麻酔の副作用が起こる。
♦「麻酔が切れた」後に痛みがある。
♦犬が傷口から感染症にかかる。
♦出血が起きる
♦手術痕の再生(また声が出てしまう)
♦瘢痕化(繊維が過剰に再生してごわごわになる)した組織が

 気道をふさいでしまう。

 

犬は、手術後傷ついた声帯で吠え立てようとします。

すると傷口が悪化して上記した瘢痕化や手術痕再生のリスクを高めます。

結果としてせっかく手術しても依然として「声が出せる」状態に

戻ってしまうという事が十分に考えられます。
なので手術の成功は、獣医師の腕だけではなく「傷口が治癒する」までの間

いかにして犬をおとなしくさせておくかという飼い主側の努力にある程度

依存しています。

声帯切除に対する各国の対応は?

 

ヨーロッパ

ヨーロッパ諸国の声帯切除に対する対応は、断尾や断耳に対する対応と同じです。

 

♦アメリカ

アメリカにおいて州によって声帯切除に対する対応は、まちまちです。

たとえばニュージャージー州で医学的な目的以外で声帯切除手術が州法で禁止されています。

またオハイオ州で2000年8月にロバート・タフト知事によって声帯切除手術禁止法が、

法制化されました。

2009年2月にマサチューセッツ州で声帯切除の禁止法が提起されました。

それが2010年4月に州法として成立しています。

2011年にニューヨーク州のワーリック市とロードアイランド州の政令により声帯切除手術が、

禁止されました。

 

またアメリカ国内に存在する動物関連団体のリアクションは以下です。

 

◊全米獣医師会(AVMA)
全米獣医師会(The American Veterinary Medical Association)は「無駄吠えに対する

行動矯正を施してもなお問題が改善されない」場合に限り資格を得た獣医師が声帯切除を

行うべきという見解を示しています。

 

◊全米動物病院協会(AAHA)
全米動物病院協会( American Animal Hospital Association)は、全米獣医師会のスタンスに

追従しています。

 

◊全米動物虐待予防会(ASPCA)
全米動物虐待予防会(The American Society for the Prevention of Cruelty to Animals/

ASPCA)は、「過剰な無駄吠えに対してまず習熟した専門家が人道的なしつけを施す」事を

提唱しています。

そしてこの団体は「こうしたしつけが奏功しなかった」場合や「無駄吠えを原因として

捨てられたり生活の場を失う危険性がある」場合に限り声帯切除手術はすべきだという見解を

示しています。

 

♦日本

日本の声帯切除に対する対応は、断尾や断耳に対する対応と同じです。

 

2012年11月に一般社団法人日本小動物獣医師会に在籍する獣医師3,878人に対して犬の

声帯切除に関するアンケート調査が行われました。

獣医畜産新報(Vol.69)内でその結果が発表されました。
まず声帯切除の是非について回答のあった353人の内訳は次の通りでした。

◊良い    53人(15.0%)

◊悪い    176人(49.8%)

◊分からない 124人(35.1%)

 

また実施状況について回答のあった357人の内訳は次の通りでした。

◊実施している  111人(31.0%)

◊実施していない 246人(68.9%)

 

更に手術の是非と実施状況の両方に回答した人で声帯手術をしている人を集計した内訳は次の通りでした。

◊良いと回答した人    約77%

◊悪いと回答した人    約13%

◊分からないと回答した人 約36%

 

手術を行う理由として合計98人から以下の様な回答が得られました。

◊安楽死や飼育放棄の回避 45人
◊騒音問題の解決     28人
◊飼い主の希望      12人
◊治療の手段       10人
◊認知症対策       3人

 

理由の筆頭に安楽死や飼育放棄の回避が来ています。

しかし保健所や動物愛護センターで近年「鳴き声がうるさい」といった安易な理由で飼育放棄をする

飼い主に対して代替案を模索する様に指導する所が増えてきています。

 

逆に手術を行わない主な理由として合計119人から以下のような回答が得られました。

◊しつけ・環境改善などで対処 31人
◊動物愛護の観点       29人
◊術後の合併症や技術的な問題 22人
◊必要性がない        12人
◊依頼がない         11人
◊獣医師の意向         8人
◊部分的な容認         6人

 

皆さんは、この記事の内容を知っていましたか?

私は、この記事作成を通して声帯切除の是非について考えさせられました。

皆さんも声帯切除の是非について考えてみて下さい

次回は、狼爪(ろうそう)切除について書こうと思います。

 

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