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オオカミはいつ、どこで犬になったの?

読了までの目安時間:約 5分


 

 

 

前回は、「犬の分類がどのように変わったか?」等について書きました。

今回は、「いつどのようにオオカミは犬になったか?」について書こうと思います。

 

オオカミはいつ、どこで犬になったの?

いつオオカミは犬になったの?

カルレス・ヴィラやロバート・ウェインは、「イヌとオオカミのミトコンドリアDNA間に

見られる塩基配列の変異(およそ1%)が自然に生じる」為に「およそ13万5千年という

年月が必要である」と算出しています。

すなわち彼らは「イヌとオオカミは13万5千年に分岐した」と考えたという事です。

ただしこれは、「イヌの祖先が緩やかにミトコンドリアDNAの変異を繰り返したと

仮定した」場合の計算上の数字です。

しかし2頭3頭と増えればそれだけ1%の変異を生めるまでの時間は少なくて済む様になります。
こうした観点から他の研究者達は、「犬の祖先に1頭の突然変異種が入り込んだ」場合「犬の

家畜化(狼が犬になった)の時期は約4万年前にまでずれ込む」と試算しています。

更に他の研究者達は、「複数のオオカミが進化の過程に加わっている」場合「犬の家畜化

(狼が犬になった)の時期は約1万5千年前にまでずれ込む」と試算しています。
この様に「イヌの遺伝子が緩やかに変異したのか突発的に変異したのか」を示す「物証がない」為

現時点では「いつイヌがオオカミから分岐したのか」という時期について推測の域を出ません。

 

どこでオオカミは犬になったの?

「どこで狼が犬になったか?」に関する説は、色々あります。

その中で代表的な説は、次の3つです。

 

・西アジア起源説

約1万2千年前の物と思われるイスラエルのアイン・マラッハ遺跡(Ein Mallaha)でイヌ科の

幼獣(子犬)らしき骨が発見されています。

またこの幼獣に手をかける形で高齢の女性の遺体が発見されました。

この事実から当時の人間がイヌ科動物をある程度手なずけていたと考えられています。

因みにこの遺体は現在パレスチナの「先史人博物館」(The Prehistoric Man Museum)に

展示されています。
こうした考古学的な事実から「犬の家畜化(狼が犬になった)場所は西アジアだと考える」説が、

西アジア起源説です。

 

・多元説

カルレス・ヴィラ氏の研究チームは、ヨーロッパ等から採集した162個に及ぶオオカミの

DNAサンプルを解析してこれらを世界中から集められた67犬種の140個体分の犬の

DNAサンプルと比較しました。

結果は、「現在世界中に存在している犬は全て基本的な4つのオオカミグループから派生した」

という物でした。
この事実から「イヌは特定のオオカミの亜種から派生したのではなく世界中の様々な場所で複数の

祖先を元に発展して来たと考える」説が多元説です。

 

・東アジア起源説

ピーター・サヴォライネン博士らは、2002年にユーラシア大陸に生息する38匹のオオカミと

アジア等から集められた654匹のイヌから採取したミトコンドリアDNAを比較調査しました。

その結果彼は、南西アジアやヨーロッパのイヌに比べて東アジアのイヌにより大きな遺伝的

多様性を見出しました。

遺伝的に多様である状態は、「複数の遺伝子が長い年月を掛けて交じり合った」事を意味します。

つまりそれらの種がより古い起源を持つ事の証拠となります。

すなわち「東アジアにおいてイヌの遺伝子に多様性が見られる」という事実は、「イヌが古くから

この地に生息していた」事を意味します。
この事から彼は、「全てのイヌは約1万5千年前あるいはそれ以前に東アジアに棲息する

オオカミから家畜化された」と考えました。

そして彼は、同時に「家畜化されたオオカミが人の移動に伴って世界各地に広がった」と推論しています。

これが東アジア起源説です。

 

この3つの説の中で有力視されている説が東アジア起源説です。

 

皆さんは、この記事の内容を知っていましたか?

次回は、「人が犬をどのように家畜化したか?」等について書こうと思います。

 

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犬の聴力は本当に人間の聴力の4倍なの?音声聞き取り能力は?

読了までの目安時間:約 6分


 

 

 

前回は、犬の可聴域等について書きました。

今回は、「犬の聴力は本当に人間の聴力の4倍なの?」

等について書こうと思います。

 

犬の聴力は本当に人間の聴力の4倍なの?

犬の耳に耳介筋という細かな筋肉が付いています。

これにより犬は、耳介をあらゆる方向に片方ずつ動かせます。

ただし垂れ耳の犬は、出来ません。

 

これは、ちょうどレーダーアンテナの様に音を集める為に

発達した能力です。

 

その影響で犬の聴力は人間のおよそ4倍あるといわれています。

「人間が10メートル離れた所でようやく聞き取れる」音を犬は

40メートル離れた地点からでも聞き取れるという事です。

 

「犬の聴力が人の聴力の4倍である」という事は、

「W.B.ジョスリン氏が非公式に行った」実験を元データにしている

様です。

 

彼は、6.4キロ離れた地点からオオカミの遠吠えをまねて叫びました。

その時にアルゴンキン公園(カナダ)内のシンリンオオカミがこれに

応えました。

 

そして彼は、似た様な条件下で人間に対して同様の実験をしました。

1.6キロ地点から行っても人間は、聞こえませんでした。

この実験結果から「オオカミ及び犬の聴力は人間の聴力より4倍良い」

という風説が、生まれました。

 

しかし「全ての音に関して一様に人間より犬が優れた聴力を持っている

訳ではない」と考える人がいます。

 

犬の音声聞き取り能力は?

音声学の領域にフォルマント(ホルマント)という概念があります。

 

音声は、「声帯(vocal fold)の振動によって生成された音波が

声道(vocal tract)で共鳴する」事で形成されます。

 

音声の源となる声帯の振動は、会話時で100~200Hzであり

ゴム風船のブーという振動とほとんど変わりません。

 

「この味も素っ気もない声帯音源が、声道(咽頭喉頭・唇・舌・歯・

顎・頬で構成される口腔や鼻腔や副鼻腔)で共鳴する」事により

特定帯域毎に音が増幅されます。

 

そしてこの増幅された成分の塊はフォルマントと呼ばれます。

 

「発声器官の形状が個体によって微妙に違う」為にこの様な現象が生じます。
「犬は人間の言葉を理解できない」という物が通説となっています。

しかし犬は、母音のフォルマントの聞き取りを出来ます。

例えば目の見えない子犬は、鳴き声中に含まれるフォルマントを聞き分ける事により

母犬や兄弟犬の個体識別を行います。

 

また人間の発する言葉は母音(ぼいん)と子音(しいん)からなっています。

母音は、a・e・i・o・u の5個です。

子音は、k・s・t・n・h等です。

 

犬は、飼い主の発する母音からフォルマントを聞き分けて飼い主の識別できるのでは

ないかと考えられています。
この様に複雑な文章の聞き取りや理解は確かに無理でしょう。

 

しかし犬は、母音の聞き取り及びその中に含まれるフォルマントの選別くらい出来ます。
さて犬は「母音の聞き取りは何とか出来る」ものの子音の聞き取りを苦手とします。

 

例えば犬は、たんぼという言葉やさんぽという言葉を同じ様にあんおと聞こえます。

なのでたんぼという言葉を会話の中から聞き取って「テンションが上がる」犬がいます。

「だめでしょ~。そんな事しちゃ!」等という言葉を聞き取る事は、出来ません。

要するに犬に「あええおーおんあおおいあ」としか聞こえていない可能性の方が大きい

という事です。

 

こうした犬の特性をしつけに応用すると短い音節で「飼い主の感情が分かる」様に

はっきりとダメ!やノー!と「犬が聞き取りやすい」言葉を使う事が良いという事になります。

また名前をつける時は、ネブガドネザル等という複雑な名前にせずにジョンやマロン等「犬が

聞き取りやすい」名前をつける事が良いという事になります。

 

皆さんは、この記事の内容を知っていましたか?

「W.B.ジョスリン氏が非公式に行った」実験やフォルマント(ホルマント)という概念について

私は、知らなかったので凄く勉強になりました。

次回は、犬の聴力低下要因等について書こうと思います。

 

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