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声帯切除手術のリスクや副作用は?声帯切除に対する各国の対応は?

読了までの目安時間:約 7分


 

 

 

前回は、声帯切除の目的等について書きました。

今回は、声帯切除のリスク等について書こうと思います。

声帯切除手術のリスクや副作用は?

 

声帯切除のリスクや副作用は、次の通りです。

 

♦循環器障害等の麻酔の副作用が起こる。
♦「麻酔が切れた」後に痛みがある。
♦犬が傷口から感染症にかかる。
♦出血が起きる
♦手術痕の再生(また声が出てしまう)
♦瘢痕化(繊維が過剰に再生してごわごわになる)した組織が

 気道をふさいでしまう。

 

犬は、手術後傷ついた声帯で吠え立てようとします。

すると傷口が悪化して上記した瘢痕化や手術痕再生のリスクを高めます。

結果としてせっかく手術しても依然として「声が出せる」状態に

戻ってしまうという事が十分に考えられます。
なので手術の成功は、獣医師の腕だけではなく「傷口が治癒する」までの間

いかにして犬をおとなしくさせておくかという飼い主側の努力にある程度

依存しています。

声帯切除に対する各国の対応は?

 

ヨーロッパ

ヨーロッパ諸国の声帯切除に対する対応は、断尾や断耳に対する対応と同じです。

 

♦アメリカ

アメリカにおいて州によって声帯切除に対する対応は、まちまちです。

たとえばニュージャージー州で医学的な目的以外で声帯切除手術が州法で禁止されています。

またオハイオ州で2000年8月にロバート・タフト知事によって声帯切除手術禁止法が、

法制化されました。

2009年2月にマサチューセッツ州で声帯切除の禁止法が提起されました。

それが2010年4月に州法として成立しています。

2011年にニューヨーク州のワーリック市とロードアイランド州の政令により声帯切除手術が、

禁止されました。

 

またアメリカ国内に存在する動物関連団体のリアクションは以下です。

 

◊全米獣医師会(AVMA)
全米獣医師会(The American Veterinary Medical Association)は「無駄吠えに対する

行動矯正を施してもなお問題が改善されない」場合に限り資格を得た獣医師が声帯切除を

行うべきという見解を示しています。

 

◊全米動物病院協会(AAHA)
全米動物病院協会( American Animal Hospital Association)は、全米獣医師会のスタンスに

追従しています。

 

◊全米動物虐待予防会(ASPCA)
全米動物虐待予防会(The American Society for the Prevention of Cruelty to Animals/

ASPCA)は、「過剰な無駄吠えに対してまず習熟した専門家が人道的なしつけを施す」事を

提唱しています。

そしてこの団体は「こうしたしつけが奏功しなかった」場合や「無駄吠えを原因として

捨てられたり生活の場を失う危険性がある」場合に限り声帯切除手術はすべきだという見解を

示しています。

 

♦日本

日本の声帯切除に対する対応は、断尾や断耳に対する対応と同じです。

 

2012年11月に一般社団法人日本小動物獣医師会に在籍する獣医師3,878人に対して犬の

声帯切除に関するアンケート調査が行われました。

獣医畜産新報(Vol.69)内でその結果が発表されました。
まず声帯切除の是非について回答のあった353人の内訳は次の通りでした。

◊良い    53人(15.0%)

◊悪い    176人(49.8%)

◊分からない 124人(35.1%)

 

また実施状況について回答のあった357人の内訳は次の通りでした。

◊実施している  111人(31.0%)

◊実施していない 246人(68.9%)

 

更に手術の是非と実施状況の両方に回答した人で声帯手術をしている人を集計した内訳は次の通りでした。

◊良いと回答した人    約77%

◊悪いと回答した人    約13%

◊分からないと回答した人 約36%

 

手術を行う理由として合計98人から以下の様な回答が得られました。

◊安楽死や飼育放棄の回避 45人
◊騒音問題の解決     28人
◊飼い主の希望      12人
◊治療の手段       10人
◊認知症対策       3人

 

理由の筆頭に安楽死や飼育放棄の回避が来ています。

しかし保健所や動物愛護センターで近年「鳴き声がうるさい」といった安易な理由で飼育放棄をする

飼い主に対して代替案を模索する様に指導する所が増えてきています。

 

逆に手術を行わない主な理由として合計119人から以下のような回答が得られました。

◊しつけ・環境改善などで対処 31人
◊動物愛護の観点       29人
◊術後の合併症や技術的な問題 22人
◊必要性がない        12人
◊依頼がない         11人
◊獣医師の意向         8人
◊部分的な容認         6人

 

皆さんは、この記事の内容を知っていましたか?

私は、この記事作成を通して声帯切除の是非について考えさせられました。

皆さんも声帯切除の是非について考えてみて下さい

次回は、狼爪(ろうそう)切除について書こうと思います。

 

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トイプードル

声帯切除の目的やきっかけは?声帯切除される犬種は?声帯切除の方法は?

読了までの目安時間:約 4分


皆さんは、犬のしゃがれた声を聞いた事あると思います。

それは人間によって声帯切除を施された証拠です。

今日は、そんな声帯切除について書こうと思います。

声帯切除の目的やきっかけは?

声帯切除の目的は、犬の無駄吠えの音量を下げる事です。

声帯切除のきっかけは、犬の認知症発症や無駄吠えに対する

しつけの失敗やドッグショー出場や近隣住民からの苦情です。

「犬が無駄吠えをする」理由は、社会化期における不適切な

生育環境等です。

声帯切除される犬種は?

声帯切除される犬種は「声が大きい」犬種で次の通りです。

♦アイリッシュ・セッター

♦イングリッシュ・セッター

♦ウェルシュ・コーギー・カーディガン

♦ウェルシュ・コーギー・ペンブローク

♦オーストラリアン・シェパード

♦オーストラリアン・テリア

♦シェットランド・シープドッグ(シェルティー)

♦ジャック・ラッセル・テリア

♦チベタン・スパニエル

♦チワワ

♦トイ・マンチェスター・テリア

♦ドーベルマン

♦スピッツ

♦バセット・ハウンド

♦ビアデッド・コリー

♦ビーグル

♦ブリタニー・スパニエル

♦プチ・ブラバンソン

♦ボーダーコリー

♦ポメラニアン

♦ミニチュア・ダックス・フンド

♦ミニチュア・ピンシャー

♦ラフ・コリー

♦ワイアー・フォックス・テリア

♦ワイマラナー

声帯切除の方法は?

声帯切除の方法は、大きく分けて二つあります。

一つ目は口腔アプローチ法です。

この方法は、犬の口からパンチやはさみあるいはレーザー等を用いて

声帯ひだの一部をカットする方法です。

 

二つ目は喉頭切開法です。

この方法は、侵襲性(しんしゅうせい,体をより多く傷つける)の高い方法で

犬や猫の喉(喉頭,こうとう)を切開して声帯の一部を切り取る方法です。

これらは全身麻酔下で行われます。

 

声帯切除といっても声帯を完全に取り去るわけではなく、あくまでも声を

作り出している声帯ひだの一部分を切り取って声のボリュームを小さくする

事が目的です。
なお、声帯切除手術を受けた犬はしゃがれた声しか出せなくなります。

なので、大声で吠え立ててもせいぜい20メートル先くらいまでしか声が

届かなくなります。

「人間で喉頭の筋肉をつかさどる迷走神経(めいそうしんけい)と呼ばれる神経が

麻痺する」と声帯ひだがうまく振動しなくなります。

なので、人間はスカスカのしゃがれた声(嗄声,させい)しか出せなくなります。

この状態は声帯麻痺(せいたいまひ)と言います。

声帯切除された犬は丁度これと同じ状態になります。

 

皆さんは、この記事の内容を知っていましたか?

私は、この記事の内容を調べてて凄く勉強になりました。

次回は、声帯切除のリスク等について書こうと思います。

 

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トイプードル

犬のしつけで必要な事は?教え方は?

読了までの目安時間:約 9分


皆さんは、犬のしつけで必要な事って何だと思いますか?

そのコツって何だと思いますか?

今回は、「犬のしつけで必要な事」と

「それをしつける方法」について書こうと思います。

犬のしつけで必要な事は?

犬のしつけで必要な事は、

犬をリードや首輪に慣らす事・リーダーウォーク・ボディコントロール・

アイコンタクト・留守番を嫌がらない様にする事・

犬を色々な音に慣らす事・トイレや寝る場所を覚えさせる事・

くわえている物を出させる事・抱っこを嫌がらない様にする事・

飼い主の隣に陣取る事・おすわり・待て・ふせの16個です。

 

犬のしつけで必要な事をしつける方法は?

 

犬をリードや首輪に慣らす方法

1.犬の首にハンカチを巻く

2.犬の首に首輪をはめる。

3.首輪にリードを付ける。

 

リーダーウォークを覚えさせる方法

1.犬に首輪とリードを付けて歩かせる。

2.「犬がリードを引く」瞬間犬に罰を与える。

3.「犬が飼い主の近くに寄って来る」瞬間犬に

  ご褒美を与える。

4.歩く速度やルートを変える。

5.ご褒美の回数を減らす。

 

ボディコントロールを覚えさせる方法

1.「犬が嫌がらない」場所である頭や背中を

  触り触らせてくれたらご褒美をあげる。

2.犬の耳を触ってご褒美をあげる。

3.犬の足をつかんで(触って)ご褒美をあげる。

4.犬の鼻先をつかんで(触って)ご褒美をあげる。

5.犬の腰を押さえ付けて(触って)ご褒美をあげる。

6.犬の尻尾を触ってご褒美をあげる。

7.犬を横にしてご褒美をあげる。

8.犬を仰向けにしてご褒美をあげる。

9.触る強さを変えながら犬の色々な場所を触って

  ご褒美をあげる。

10.ご褒美の回数を減らす。

 

アイコンタクトを覚えさせる方法

1.犬の名前を呼びながらご褒美をあげる。

2.そっぽを向いている犬にアイコンタクトをさせてご褒美をあげる。

3.「何かで気が散っている」犬にアイコンタクトをさせてご褒美をあげる。

4.ステップ3より「気が散る」環境で犬にアイコンタクトをさせてご褒美をあげる。

5.外等の色々な場所で犬にアイコンタクトをさせてご褒美をあげる。

 

留守番を嫌がらない様にする方法

1.犬をハウスに入れる。

2.犬の視界から短時間消えて吠えたりしなくなったらご褒美をあげる。

3.犬の視界から長時間消えて吠えたりしなくなったらご褒美をあげる。

4.補助トレーニングをする。

補助トレーニングは、独立トレーニングと外出ルーチンをランダムにする事と

リラックスシグナルを作る事と帰宅後「犬が飼い主に吠えたり飛びついたりして

歓迎する」前にオスワリ等をさせて犬を落ち着かせる事です。

・独立トレーニング

このトレーニングは、クンクン鳴き・まとわりつき・飛びつき等飼い主の関心を

求める行為に対して一貫してタイムアウト(犬と目を合わせず背を向けて空気の

様に扱う事)を適用しておとなしくなるタイミングでごほうびと関心を与える様にする。

・外出ルーチンをランダムにする

上着を着る等の出掛ける前の決まりきった動作(外出ルーチン)をランダムにする。

・リラックスシグナルを作る。

「飼い主の臭いが付いた」物を犬に与える。

・帰宅後「犬が飼い主に吠えたり飛びついたりして歓迎する」前にオスワリ等を

させて犬を落ち着かせる。

「犬が飼い主に吠えたり飛びついたりして歓迎する」前にオスワリ等をさせる。

 

犬を色々な音に慣らす方法

1.ラジオ等に録音している色々な音を小さいボリュームで出して

  「犬がおとなしくしてた」らご褒美をあげる。

2.音量を徐々に上げて「犬がおとなしくしてた」らご褒美をあげる。

3.実際の生活音を犬に聞かせて「犬がおとなしくしてた」らご褒美をあげる。

 

トイレの場所を覚えさせる方法

1.犬のトイレサインを飼い主が読み取る。

2.犬をトイレに連れて行く

3.「犬がトイレをしている」間犬にトイレという指示語を聞かせる。

3.「犬がうまくトイレを出来る」場合は犬にご褒美を与える。

  「犬がうまくトイレを出来ない」場合は、

  「犬が粗相をした」場所から隔離して汚れた場所を

  きれいにして消臭スプレーを掛ける。

4.サークルを外す。

 

寝る場所を覚えさせる方法

1.クレート等犬の寝る場所に慣れさせる。

2.犬をクレート等におびき寄せる。

3.犬に指示語と行動を結び付かせる。

4.指示語だけを犬に出す。

 

くわえている物を出させる方法

1.犬に物をくわえさせる。

2.「犬が物をくわえている」状態で犬の鼻先にご褒美を出して

  「犬が物を離す」瞬間にご褒美をあげる。

3.動作と指示語である出せを結び付ける。

4.指示語だけを犬に出す。

5.ご褒美の回数を減らす。

6.場所と時間を変えて行う。

 

抱っこを嫌がらない様にする方法

1.飼い主の手から犬にご褒美を与える。

2.犬を膝の上におびき寄せる。

3.犬に抱っこという指示語と行動を結び付けさせる。

4.犬に指示語だけを出して行動を促す。

5.ご褒美の回数を減らす。

6.場所と時間を変えて行う。

 

飼い主の隣に陣取る事を覚えさせる方法

1.犬を飼い主の横におびき寄せる。

2.犬に動作とヒールやツイテという指示語を結び付けさせる。

3.指示語だけで犬に動作を促す。

4.ご褒美の回数を減らす

5.場所や時間を変えて行う。

・「犬が飼い主の左側に座る」様にする指示語は、

 ヒールを使う。

・「犬が飼い主の右側に座る」様にする指示語は、

 ツイテを使う。

 

おすわりを覚えさせる方法

1.飼い主の手から犬にご褒美をあげる。

2.飼い主の手を目で追い自然に座る様に

  ご褒美を高くあげる。

3.犬に動作と指示語であるオスワリを結び付けさせる。

4.犬に指示語だけで動作を促す。

5.ご褒美の回数を減らす。

6.場所と時間を変えて行う。

 

待てを覚えさせる方法

1.犬をオスワリの状態にする。

2.飼い主が犬から少し離れる。

3.離れる距離や時間を延ばす。

4.犬に動作と指示語であるマテを結び付けさせる。

5.解除語を犬に教える。

6.ご褒美をランダムにする。

7.場所と時間を変えて行う。

 

ふせを覚えさせる方法

1.飼い主の手からご褒美を犬に与える。

2.ご褒美を地面に近付ける。

3.犬に動作と指示語であるフセを結び付けさせる。

4.指示語だけで犬に動作を促す。

5.ご褒美の回数を減らす。

6.場所と時間を変えて行う。

 

皆さんは、この記事の内容を知っていましたか?

私は、実を言うと私の留学中に家で両親がトイプードルを飼い始めたので

しつけに参加してないんです。

我が家の愛犬である「ハッピー」のしつけは、両親がしてくれました。

感謝です!!

両親は未だに私に「私たち達がしつけしたのよ~!!」と

誇らしげに言ってきます。

皆さんもこの記事を参考にして犬のしつけをして下さいね。

次回は、「犬の芸」について書こうと思います。

 

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トイプードル

しつけやすい犬種としつけにくい犬種は何?

読了までの目安時間:約 3分


皆さんの飼っている愛犬の犬種は、何ですか?

皆さんは、たくさんある犬種の中でしつけやすい犬種と

しつけにくい犬種って何だと思いますか?

今回は、「しつけやすい犬種としつけにくい犬種って何」

という事で書こうと思います。

 

しつけやすい犬種としつけにくい犬種って何?

犬の外見は千差万別です。

これと同じ様に犬種ごとの学習能力に多少のばらつきがあります。
ベンジャミンとリネットのハート夫妻は、96人の専門家に対して

服従訓練をする場合最も訓練しやすい犬から最も訓練しにくい犬まで

56犬種についてランク付けをして貰いました。

またスタンレー・コレン氏は、199名の服従訓練審査員に対して

110犬種について訓練しやすい犬種順に並べて貰いました。
上記調査で挙がってきた犬種の内「コレン氏の調査で名前が登場する」

犬種をリストアップすると以下の様になります。

ハート夫妻とコレン氏両方の調査で共に名前の挙がって来た物は★印を

付けました。

この犬種リストは絶対ではありません。

しかしこのリストはしつけのしやすい犬種としにくい犬種の大まかな

目安になりそうです。

つまり犬の飼育初心者がいきなりアフガンハウンドに芸やトリックを

仕込もうとするとおそらくうまくいかないだろうという予測を

付け易くなるという事です。

 

1.訓練しやすい犬

・ボーダーコリー
・プードル★
・ジャーマンシェパード★
・ゴールデンレトリバー★
・ドーベルマン★
・シェットランドシープドッグ★
・ラブラドールレトリバー★
・パピヨン
・ロットワイラー
・オーストラリアンキャトルドッグ
・ウェルシュコーギーペンブローク
・ミニチュアシュナウザー

 

2.訓練しにくい犬

・アフガンハウンド★
・バセンジー
・ブルドッグ
・チャウチャウ★
・ボルゾイ
・ブラッドハウンド
・ペキニーズ★
・ビーグル★
・マスティフ
・バセットハウンド★
・シーズー
・ブルマスティフ
・ラサアプソ
・チワワ★

 

皆さんは、この記事の内容を知っていましたか?

私の愛犬は、トイプードルでこのリストに

挙がっている様にしつけやすいです。

皆さんもこのリストを参考にして犬購入を検討してみて下さい。

次回は、「犬のエピソード記憶」について書こうと思います。

 

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トイプードル

犬が持っている能力は?しつけにおけるその活用法は?

読了までの目安時間:約 13分


今回は、「犬が持っている能力」と「それがしつけを

する際どの様に利用出来るか」について書こうと思います。

皆さんは、犬が持っている能力って何だと思いますか?

しつけにおけるその活用法は何だと思いますか?

犬が持っている能力は何?

短期記憶能力

犬の短期記憶能力すなわち「犬が一時的に記憶を保持する」能力を実験した結果

「犬は2~3秒くらい前の事なら正確に想起出来る」という結論が導かれました。

犬の短期記憶力を測定する際研究者達は主に「視覚移動」と呼ばれる手法を

用いました。

 

手順は以下です。

 

1.4つの全く同じ箱を用意する
2.実験者が箱の中の一つにおもちゃを隠す
3.隠したおもちゃを取りに行く様に犬をしつける
4.おもちゃを隠した箱と犬の間をついたてで仕切り

一定時間犬から見えない状態にする
5.一定時間が経過後ついたてを取り犬におもちゃを取りに行かせる

 

「犬と箱を仕切っていたついたてが取り払われた」時もし「犬がおもちゃの

隠された箱に直行した」場合犬が「あの箱の中におもちゃがあった」という記憶を

保持している事の証拠になります。

逆にうろうろ迷った挙句全ての箱を手当たり次第に開けていく場合犬はおもちゃの

位置を記憶していないという事になります。
実験の結果「ついたてで仕切る時間が2~3秒である」場合ほとんどの犬が正しい箱に

直行出来ました。

しかし「ついたてで仕切る時間が30秒を超える」と正解率が徐々に低下する事も同時に

明らかになりました。

すなわち「犬が確実に思い出せる」事は、せいぜい2~3秒前の出来事であると判明しました。

その後2015年に行われた調査で犬の短期記憶能力は平均すると71秒であると発表されました。

やはり2~3秒前の事を思い出すより30秒前の事を思い出す時に時間が掛かってしまう事に

変わりはありません。

回想能力

犬の回想能力すなわち過去の出来事と現在の出来事を結び付けて理解する能力を示す事例によると

犬は過去の出来事と現在の状況の因果関係を結びつけられません。
バーナード大学の認知心理学者であるアレクサンドラ・ホロウィッツは、犬の「罪悪感」に関する

興味深い実験を行いました。

 

具体的な手順は以下です。

 

1.犬と飼い主を別々の部屋に待機させる
2.犬のいる部屋におやつを置く

3.犬がおやつを食べるかどうかを犬の自由として犬の様子を観察する
4.飼い主が犬の部屋に入る前に「犬がおやつを食べてしまった」と他人が飼い主に伝える。
5.飼い主が部屋に入る。

6.犬を普段通りのやり方で叱ってもらう

 

結果は、「犬の中に確かに罪悪感を抱いていると思わせる様な後ろめたいしぐさを見せる犬が

いた」でした。

具体的な犬の行動は目を背ける・おなかを見せる・しっぽを下げる・飼い主から遠ざかるでした。

この結果の興味深い事は、こうしたしぐさを見せた犬の中に実際におやつをつまみ食いしておらず

罪悪感を抱く筋合いのない犬も含まれていたという点です。
こうした事実からホロウィッツ氏は、「犬が罪の意識を感じている」様な行動を取る心理は過去に

「自分が行った」悪い行動を振り返って反省しているのではなく今目の前にいる飼い主のいかにも

怒っている様な雰囲気を察したためであると結論付けています。

つまり犬は過去の出来事と現在の状況の因果関係を結び付けているわけではないと言えます。
2016年にハンガリーで行われた調査で犬に人間と同じ様に体験を長期的に記憶する

エピソード記憶と呼ばれる物を備えている可能性が示されました。

しかしエピソード記憶を持っているとしても現在の賞罰が、過去の膨大な数のエピソード記憶の内

どれを対象としているのかを犬に教えなければ意味を成しません。

人間の場合は言葉を使って「ピンポンダッシュをしてはいけません!」と伝えられます。

しかし犬の場合はそれを出来ません。

模倣能力

「猿真似という言葉が示す」様に霊長類は他の個体の動きやしぐさを真似する能力を持っていると有名です。

この能力は霊長類同様に犬に備わっています。
ニューヨーク市立大学に勤めているアドラー夫妻は、ダックスフントを用いて犬の模倣能力に

関する実験を行いました。

 

具体的な手順は以下です。

 

1.ダックスフントを2頭1組にする
2.1頭を実行役もう1頭を観察役に設定する
3.おやつの入ったカートをレールの上に置いてカートについたリボンを引っ張るとおやつを

取れる様にする
4.実行役をカートのそばに置き、ヒントを与えずに自力でおやつを取れるまで待つ
(観察役は金網越しに実行役の様子を観察させる)
・この観察を5回繰り返す
5.観察役をカートのそばに置き、ノーヒントでおやつが取れるまで待つ
6.おやつを取り出すまでのタイムを計測し、実行役のものと比較する

 

結果は、「全く予備知識を持たない状態で取り掛かった実行役の平均タイムが590秒(約10分)

だった」に対し「あらかじめ正解動作を観察していた観察役の平均タイムは、わずか40秒」

という物でした。

「かかった時間が1/10以下である」という実験結果から「犬が他の個体の動作を見てそれを

模倣する能力がある」事が示されました。
また南アフリカの警察犬学校で行われた実験で同様の結論が導き出されています。

この実験で用いられた犬はジャーマンシェパードの子犬20頭でした。

犬達に生後6~12週までの間に週数回「母犬が麻薬の入った袋を探し回収する」様子を

観察させました。

生後6ヶ月齢になった時にこれらの子犬を用いた回収能力テストが行われました。

結果は、「子犬たちの85%が、麻薬犬として合格ラインである5点以上を獲得する」

という物でした。

更に麻薬犬として完全な訓練を受けた犬達と何ら遜色のない10点満点中9点という高得点を

20頭の内4頭が取るという快挙まで成し遂げます。
全く予習していない子犬の平均合格率が19%であるという事実と考え合わせると85%という

極めて高い合格率は、「犬達が他の犬の行動を観察するだけで学習出来る」という可能性を

強く示す物と言えます。

動作読み取り能力

ハーバード大学の心理学者であるブライアン・ヘア氏は、犬の動作を読み取る能力について実験を行いました。

これはエサの場所を人間のジェスチャー(指をさす・指で叩く・見つめるなど)だけから

理解させるという物です。

結果は、「犬はジェスチャーの意味をチンパンジーの4倍早く読み取る」・

「正解率に関して犬は人間の子供の2倍である」という物です。
オオカミを用いて同様の実験を試みた所「おおかみの点数は犬よりはるかに低かった」

という事実や人間と接する機会の無かった生後9週齢の子犬でオオカミやチンパンジーより

好成績を収めたという事実から「犬の持つ動作読み取り能力は祖先であるオオカミから

受け継がれた」物ではなく犬という種だけに発達した特殊な能力であるという推察が

なされています。

なので動作読み取り能力について議論が続いています。

聞き取り学習能力

イギリス・デモントフォート大学のスー・マッキンリーらは、人間の会話内容だけで

「犬が物とその名称を記憶出来る」事を証明しました。

 

実験手順は以下です。

 

1.二人の人間がハンマーを持ちながら、「ハンマー」という単語が最後に来る様に会話する
(犬に会話の様子を観察させる)
2.犬に「ハンマーをとってこい」と命じる
3.犬がハンマーそのものと「ハンマー」という単語を記憶しているかどうかを確認する

 

結果は、「会話の最後に単語が差し挟まれた」時だけという条件付きで「犬は人間の会話を

聞くだけで単語を記憶出来る」という物でした。

更に犬の目の前でハンマーを見せながら「ハンマー」という音を繰り返す事で

覚えさせた標準訓練グループと比較して作業を実行するスピードや正確さに差は

見られなかった。

非言語的コミュニケーション能力

非言語的コミュニケーション(ノンバーバルコミュニケーション)は、

身振り・姿勢・表情・視線・服装・髪型・声のトーン・声質等言葉以外の要素を通じて相手に

意思を伝える事です。

ジェスチャー等の多くは文化によって異なります。

しかし怒り・失望・恐怖・喜び・感動・驚き等人間の持つ基礎的な感情に対する表情は、

世界共通とされています。
非言語的コミュニケーションに関して犬は多少能力を持っています。

2010年にサラ・マーシャルらは、「犬は人間同士だけのコミュニケーションから個々の

人柄を理解出来るか」というテーマで実験を行いました。

 

実験手順は以下です。

 

1.3人の役者(物乞い・寛大な人・利己的な人)を用意する
2.寛大な人が物乞いのお願いを聞き入れてお金を差し出す様子を犬に見せる
3.利己的な人が物乞いのお願いを無視する様子を犬に見せる
4.舞台上から物乞いを退場させて寛大な人と利己的な人だけにする
5.犬を舞台上に上げる

6.2人の内どちらに近づこうとするかを確認する

 

結果は、「多くの犬が寛大な人と触れ合いを求め利己的な人といるより長い時間を一緒に

過ごそうとした」という物でした。
また2006年、ジョン・ブラッドショー氏らは、「家庭内における人間と別の犬の関係を

理解出来るか?」というテーマで実験を行いました。

 

実験手順は以下です。

 

1.人と犬が遊べる部屋とそうでない部屋を設ける
2.1の部屋で楽しそうに遊ぶ様子を犬に観察させる
(もう1部屋でつまらなそうに遊ぶ様子を犬に観察させる)
3.犬をそれぞれの部屋に開放する。

4.リアクションを観察する

 

結果は、「犬は楽しそうに遊んでいた犬や人(特にゲームの勝者)に近づこうとする反面

つまらなそうにしている犬や人に近づこうとしなかった」という物でした。
こうした幾つかの事例を考察すると犬は観察を通じて相手の人間に対する接し方を

変えています。

すなわち犬は人間の発する非言語的なメッセージをある程度読み取る能力を持っていると

言い換えられそうです。

犬が持っている能力はどの様にしつけに生かせるか?

・犬の短期記憶能力や回想能力は、「犬がした」行動の直後に褒めたり叱ったりすると

生かされます。

・犬の模倣能力は、新しく迎えた子犬をしつける時に先住犬の姿をあらかじめ

見せておくと生かされます。

・犬の動作読み取り能力は、ハンドジェスチャーによる指示を教えると生かされます。

・犬の聞き取り学習能力は、「おいで、ジョン!」と言うのではなく「ジョン、おいで!」

という具合に犬に対する指示語を最後に持って来ると生かされます。

・犬の非言語的コミュニケーション能力は、大袈裟に笑顔を作る等動作を大袈裟にすると

生かされます。

 

皆さんは、この記事の内容を知っていましたか?

私は、この記事の内容を参考にして愛犬のしつけをしようと思います。

次回は、「しつけやすい犬種としつけにくい犬種は何?」について書こうと思います。

 

 

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しつけとは?犬の学習パターンをしつけに生かすには?

読了までの目安時間:約 9分


皆さんは、しつけって何だと思いますか?

犬の学習パターンをしつけに生かすには

どうすれば良いと思いますか?

 

しつけとは?犬の学習パターンをしつけに生かすには?

しつけは、礼儀や作法を教え込む事です。

古典的条件付けを基本として犬をしつける場合と

オペラント条件付けを基本として犬をしつける場合

についてお話します。

古典的条件付けを基本として犬をしつける場合

二次的報酬を作り上げる

犬の気を引き付けたい時や犬を褒めたい時等古典的条件付けを利用して二次的報酬を

作っておく事は非常に役立ちます。
おやつ・餌・おもちゃ等犬に「嬉しい」・「楽しい」という生理的な反応を直接引き起こす物は

一次的報酬と言います。

「よし!」・「良い子だ!」等間接的に犬の生理的な反応を引き起こす様な事象は

二次的報酬と言います。

また犬にとって中立的であった刺激にプラスの意味を与えてその刺激自体を犬にとって

ごほうびに変えてしまう事が二次的報酬です。

 

例えばおやつを与える0.5秒前(同時でも後でもなく直前)に「良い子だ!」というほめ言葉を

繰り返し聞かせたとします。

古典的条件付けのメカニズムを通じ犬は次第に「良い子だ!」という言葉を聞いただけで

「おやつを貰える!」と期待し実際貰っていないに係らず「嬉しい」・「楽しい」という

ポジティブな感情を抱く様になります。

 

二次的報酬は、次の通りです。

 

・ほめ言葉

ほめ言葉は、「良い子だ!」・「よし!」・「グッド!」等

「犬が理想通りの行動をとった」時におやつの代わりに用いる言葉です。

その時々で言葉を気まぐれで変えず一度決めた言葉を一貫して使い続け家族間で

あらかじめほめ言葉を統一しておく事が重要となります。

これは、「ほめ言葉が首尾一貫していない」と犬は「自分がほめられているのか」

良く分からなくなる為です。

 

・呼び言葉
呼び言葉は犬の注目を自分に向けたい時に用いる音声や刺激の事で犬の名前やクリッカーの

クリック音や口をチュバチュバ鳴らすキッシングノイズ等です。

騒音の中で聞き取りやすい音が良いです。

犬はこの呼び言葉を聞く度に「何かおやつくれるの?」と期待して飼い主の方を向いて

くれるはずです。

 

・解除語
解除語は、ある特定の行動を取っている犬の行動を中断して飼い主の元に来る様に伝える

コマンドです。

これは「よし!」や「OK!」で事足ります。

しかし日常生活で頻繁に多用する言葉より「おわり」等オリジナリティのある言葉の方が

良いです。

 

・リラックスシグナル
リラックスシグナルは、興奮した犬をリラックスさせるときに用いる何らかの刺激です。

これは必ずしも言葉である必要を持っておらず五感を通して認識出来る物であれば何でも

構いません。

上がったテンションと相殺しあう事で犬を落ち着かせる効果が期待できます。

これは握りこぶし(視覚)や犬笛(聴覚)やラベンダーの香り(嗅覚)や首の横をなでる(触覚)等です。

二次的罰を作り上げる

「犬が望ましくない行動を取った」時に何らかの罰を与えて「その行動がいけない」事であると

学ばせる必要があります。

この時は古典的条件付けを利用して二次的罰を作っておくと非常に役立ちます。

雷の音やビターアップルやオオカミのおしっこの臭い等犬に「不快だ」・「嫌いだ」と

生理的な反応を直接引き起こす物は、一次的罰と言います。

「ノー!」・「ダメ!」等間接的に犬の生理的な反応を引き起こす様な事象は二次的罰と

言います。

また犬にとって中立的であった刺激にマイナスの意味を与えてその刺激を犬にとって罰に

変えてしまう事が二次的罰です。
例えば飼い主の手を甘噛みしたタイミングで「ノー!」という言葉を発して

(ノーと言うタイミングは必ず立ち去る直前)しばらくの間犬を放置するとします。

古典的条件付けのメカニズムを通じて犬は次第に「ノー!」という言葉を聞いただけで

「独りぼっちにされる!」と不安になり「不快だ」・「嫌だ」といったネガティブな感情を

抱く様になります。

 

二次的罰は、次の通りです。

 

・叱り言葉
叱り言葉は、「犬がよくない行動を取った」時に発する刺激です。

これは、「ノー!」という音声や「ブー!」という機械的なビープ音等です。

低くて強く長く響く音が、犬に対して威圧感を与える音です。

なので叱り言葉としてこの種の音が適しています。

 

・トレーニングディスク

トレーニングディスクという名で犬にとって不快な音を出す小型シンバルの様な物が

市販されています。

これを使う際に「取り出すタイミングが難しい」という事や「犬が音にすぐ慣れてしまう」

という難点はあります。

 

オペラント条件付けを基本として犬をしつける場合

オペラント条件付けを基本として犬の取った行動と生理的な反応を結びつけて行動に対する

積極性を変化させる事はシェイピング(shaping, 反応形成)と言います。

このパターンはおおむね以下の4つです。

自発行動をとらえる

これは自動トレーニング(行動捕捉)と呼ばれる方法です。

これは「犬が自発的にある特定の行動を取る」瞬間をとらえてごほうびや罰を与えて

その行動に対する積極性を変化させる事です。

たまたま飼い主と目が合った瞬間をとらえて犬の名前と同時におやつをあげる

 

ルアートレーニング

これはおやつやおもちゃ等犬の気を引き付ける物をおとり(ルアー)として用いて

犬をある特定の行動に導く事です。

おやつを犬の鼻先に近づけてそのまま地面に導き伏せの状態になった瞬間に

「フセ」という指示語と共におやつを与える

刺激を用いる

これは力ずくもしくは何らかの刺激の力を借りて犬の行動を変化させる事です。

これは、物理的プロンプトと環境プロンプトの二つです。
物理的プロンプトの例

ワンワン吠えている犬のマズルを人の手等で物理的に押さえつけて鳴き止んだ瞬間に

ごほうびを与えます。
環境プロンプトの例

「犬を鳴きやませる」という目的の為に「大きな音」等何らかの環境刺激を与える。

行動をステップ化する

これは、段階的接近法と連鎖法の2種類あります。

 

・段階的接近法

段階的接近法は目標とする行動に似た行動からスタートして徐々に目標とする行動へ

変えていきます。

 

ダンベルを見せて餌を与える→ダンベルに鼻で触れたら餌を与える→

ダンベルをなめたら餌を与える→ダンベルをくわえたら餌を与える→

ダンベルをくわえて飼い主の元へ持って来たら餌を与える

 

・連鎖法
連鎖法は、目標としている行動を細分化して小ステップをクリアする度に行動を

強化していきます。

 

新聞に近づく→新聞をくわえる→飼い主に近づきくわえていた新聞を離すという具合に

細分して細分されたステップができる毎に犬にごほうびを与える。

 

皆さんは、この記事の内容を知っていましたか?

私は、この記事を参考にして愛犬をしつけようと思います。

次回は、「犬の名前を呼んだ後に叱ったらだめなのか?」という事と

「犬に最適な命令方法」について書こうと思います。

 

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犬を褒めてしつけた場合と犬を罰してしつけた場合の違いは?

読了までの目安時間:約 5分


皆さんは、犬を褒めてしつけた場合と犬を罰してしつけた場合の違いって何だと思いますか?

犬を褒めてしつけた場合と犬を罰してしつけた場合の違いは?

犬をほめてしつけた場合

2004年にエリー・ハイビーらはイギリスで行った調査で364人の飼い主に対してトイレ等の

基本的な7つのしつけをどのように教えたかをたずねました。

回答者の内主に罰を用いてしつけた飼い主は、言葉で叱る66%で体罰12%でした。

主にごほうびを用いてしつけた飼い主は、言葉で褒める60%で食べ物を与える51%でした。

その結果ごほうびを利用した飼い主は、罰を利用した飼い主より「犬が従順だ」とはるかに高い

割合で答えました。

逆に体罰を用いた飼い主は、人や犬に吠えたりおびえたり分離不安になる等

「飼い犬に問題行動が多く見られる」と回答しました。

上記した調査はトレーニングの最中におけるごほうびの有効性を示す物です。

 

ウィーン大学獣医学部のチームは、1~9歳のラブラドールレトリバー16頭

(年齢中央値49ヶ月齢)を8頭ずつの2グループに分けて

「トレーニング直後の時間の過ごし方が学習能力にどのような影響を及ぼすか」を

比較調査しました。

 

トレーニングの具体的な内容は以下です。
1.「性質が全く異なる」2つの物を用意して犬の前に提示する。

2.どちらか一方を任意で正解として犬が正解のものを選んだらご褒美を与える。

 

1セッションを10回のトライアルとして直近2セッションの正解率が連続で80%を超えた時点で「合格」とみなす。

一方のグループは、課題に合格した後に遊び時間を設ける。

もう一方のグループは、休息時間を設ける。

課題に合格してからおよそ24時間が経過した翌日全ての犬達が再び実験室内に集められました。

犬達は前日と同じ課題を出されました。

もし「犬が前回の内容を完璧に覚えていた」場合は、最低20回のトライアルで合格という事に

なります。

記憶力を確かめるために16頭の犬を再試験した所「遊びグループ」が最小回数に近い

「26回」でした。

「休息グループ」は65%増しの「43回」でした。
こうした結果から調査チームは、「学習の直後に感情を喚起するような愉快な体験をすると

学習した内容に関する記憶が増強されるかもしれない」という可能性を突き止めました。

 

まだ研究段階ですが「この現象がすべての犬に当てはまる」とすると犬のしつけ方における

新しいスタンダードとして定着していく可能性があります。

なおこの現象は、人間において既に確認されています。

犬を罰してしつけた場合

ペンシルベニア大学ライアン病院が発表した研究報告によると「望ましくない行動をした犬を

叩いたり蹴ったりする」事や「犬が口にくわえたものを力ずくで放させる」事や

「アルファロールをする」(力ずくで仰向けに寝かせて押さえつける)事や

「犬をにらんだり犬が目をそらすまで凝視する」事や「ドミナンスダウンをする」

(力ずくで横向きに寝かせる)事や「犬の顎をつかんで左右に振る」事という体罰や不快感を

伴うしつけを受けた犬の少なくとも1/4で攻撃的な反応を引き出したとしています。

これに対し体罰を使わないしつけを受けた犬と攻撃性の間に関連性は見出せませんでした。

 

皆さんは、この記事の内容を知っていましたか?

私は、この記事を参考にして愛犬を褒めてしつける様に心掛けたいと思います。

次回は、「しつけの意味」や「犬の学習パターンをしつけに生かす事」について書こうと

思います。

 

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犬にとってごほうびと罰とは?与え方は?

読了までの目安時間:約 11分


皆さんは、犬にとってごほうびと罰って何だと思いますか?

どの様に犬にごほうびや罰を与えれば良いと思いますか?

犬にとってごほうびと罰とは?

 

ごほうび

・えさやおやつをあげる
・なでる
・ほめる
・おもちゃで遊ばせる
・散歩をする
・かまってあげる

 

ごほうびの中でえさやおやつ等生理的な快感を引き起こすごほうびは

一次強化子と呼ばれます。

なでたりおもちゃで遊ばせたり散歩したり等「犬が率先してやりたがる」

行動はプレマック型強化子と呼ばれます。

 

また「犬に注目する・犬に関心を寄せるという事自体が犬にとってごほうびになる」

という点は重要です。

「この知識がない」と飼い主にその気はなくても知らず知らずの内に犬の

問題行動を助長してしまう事があります。

 

床の上でお漏らしした時に「あら~!だめじゃない!」と

甲高い声で犬に駆け寄る

 

・苦い物を与える
・犬を叩く等の体罰を与える
・落下音等の爆発音を発生させる
・無視する
・閉じ込める
・えさを与えない

 

数ある罰の中で体罰は最も望ましくない物です。

体罰は、「罰を与えている人が飼い主である」と

犬が認識した状態で嫌悪刺激を与える事です。

これは、犬を手で叩いたり蹴ったり鼻ピンをしたり

するという直接的な物から犬に石を投げたり犬を

棒で叩いたり犬に付けているチョークチェーンを

グイッと引っ張るという間接的な(道具を用いる)物まで含みます。

盗み食いをした犬を平手で叩いたとします。

犬は叩かれた肉体的不快感と手のひらを結びつけて覚えます。

この犬が散歩中に「子供が寄ってきて犬の頭をなでようと手を出してきた」とします。

犬の中で「手のひらと不快が結びついている」ので犬は反射的に子供の手に

噛み付いてしまうかもしれません。

 

犬に許容される範囲の罰はサプライズです。

これは、苦痛を与える事より驚かせる事を主目的とした罰です。

これはかつて「天罰」(誰が主体かわからない罰・間接罰)と呼ばれていた概念です。

天罰を適用する際は、犬に対して強い不快感を味わわせる事に重点が置かれていました。

しかしヴォイス・ボーチェルト・ブラックショー等数多くの先人達の助言(罰は動物を

ハッと驚かせてその行動を妨害して再開のあらゆる企てを即座に中断させる物である事)

にのっとり近年は徐々に「犬を驚かせてひとまず行動を中断させる事」に比重が

移って来ています。

 

・視覚的サプライズ
いきなり顔の上に布をかぶせて視界をさえぎる
・聴覚的サプライズ
小石を入れた空き缶(ガウ缶)を犬の後ろに投げつけて大きな音を出す
・嗅覚的サプライズ
酢を薄めたスプレーを噴霧する
・味覚的サプライズ
噛み付き防止剤(ビターアップル)を使う
・触覚的サプライズ
ヘッドカラーを軽く引く

 

サプライズを使用する事は、「サプライズを与えるタイミングが難しい」事や

「犬がサプライズになれてしまいやすい」事や動物福祉の観点等使用するに当たっては

知識と習熟を要します。

全ての犬がほめて育てるしつけ方に反応するわけではありません。

なので私達はこれらのサプライズも次善策として覚えておかなければなりません。

 

サプライズを含めた嫌悪刺激を与える事は相応のリスクを持っています。

私達は、それらを併せて念頭に置く様にしなければなりません。

以下は「米国獣医動物行動研究会(AVSAB)が罰について採択している」

声明文の具体例を交えた要約です。

 

・サプライズを与える正しいタイミングが必要
問題行動と嫌悪刺激を関連付ける為にオペラント条件付けの基本にのっとり「行動が発生して

1秒以内(できれば0.5秒)に罰を与える」事をしなければなりません。

しかしこのタイミングを常に遵守する為に飼い主は習熟を要します。

 

・罰に一貫性が必要
問題行動に対して罰を与えたり与えなかったりという状況を作るとそれは結果的に犬を間欠強化

している事になります。

家族全員が一貫して同じ行動を徹底しなければなりません。

それは時として非常に困難です。

 

・適度な強度が必要
「犬が我慢できる」程度の弱い罰からスタートすると犬はどんどんその罰に慣れていきます。

しつけ効果を実感できない飼い主が、罰の度合いを上げるとします。

しかし犬は慣れながらその強度に順応していきます。

結果として「問題行動が直らない」ままいたずらに犬に不快感を与える事になり

飼い主・犬にとってこれは大変な負担になります。

 

・過度の罰は身体的障害を与える
首を絞めるチョークチェーンは首の血管や神経を痛めつけたりします。

 

・刺激に対する鋭敏化を招く
アラーム音に引き続き電流が流れるショックカラーでしつけられた犬は、他のアラーム音を聞いて

恐怖を覚えます。

つまり「今まではなんとも無かった」物が、突如恐怖の対象になってしまいます。

 

・攻撃行動の誘発
犬を力づくでねじ伏せるアルファロールやドミナンスダウンは、時に犬の攻撃行動を

誘発します。

 

・問題行動の根本原因を放置する
「うなる等の行為が恐怖等によって引き起こされている」場合は

仮に「問題行動が見られなくなった」としても根本的な原因を解決してません。

更に「うなる等の行為が攻撃前の威嚇行為として発せられていた」場合は、

「こうした行為が表面化しなくなった」事により結果として予告無しの先制攻撃を誘発する

危険性を持っています。

 

・人と罰を関連付ける危険性がある。
天罰で「そばに飼い主がいる」場合犬は、不快感と飼い主をリンクしてしまう可能性を

持っています。

「ショックカラーで電流が流れた」瞬間に「目の前に飼い主の姿がある」と犬は、

飼い主と不快感をリンクして学習してしまうかもしれません。

 

・望ましい行動をとらせる事が難しい
SSDRの様な生得的な反応以外を罰を与える事で教える事は困難です。

SSDRは、「種特異的防御反応」の事です。

これは、怒りや恐れ等「動物が不快な感情を味わっている」時に見せる自然なリアクションです。

例 耳をつねられた犬がキャンと鳴いて口をあけるなどです。

一般的に嫌悪刺激を用いて犬をしつける場合は、実現しようとしている犬の動作にSSDRを

含んでいる事を理想とします。

 

ごほうびと罰の与え方は?

・ご褒美をあげる前に犬をじらす(遮断化・刺激剥奪)

 

・一つの行動に快と不快を同居させない

(一つの行動に快か不快のどちらか一方だけを結びつける)

 

・タイミングに気をつける

 

古典的条件付けの場合

古典的条件付けにおける賞罰のタイミングは中性刺激の直後です。

 

オペラント条件付けの場合

オペラント条件付けにおける賞罰のタイミングは「行動が発生している」最中か直後です。

 

・犬に接する人が一貫性を持つ

犬にごほうびや罰を与える時は、接する全ての人で一貫性を持つ。

これは、連続強化と間欠強化の二パターンあります。

 

連続強化
これは、ある行動をとった時常に同じ賞罰を与える事です。

連続強化によって成立した学習の特徴は、「刺激に対して報酬が与えられなくなると

じきに刺激を与えても反応が起こらなくなる」という事です。

これは反応の消去と呼びます。

ワンワン吠えたら飼い主がやってきていつもおやつをくれてたのに最近おやつをくれなくなった。

疲れるだけだから吠えるのや~めた

 

間欠強化
これは、ある行動に対して賞罰を与えたり与えなかったりする事です。

「報酬が与えられない」場合でも「もしかしたらという期待感がある」限り

「行動が消失する」事はありません。

家族の中の一人でもルールを破って犬に無計画な賞罰を与えしまうと

「その気は無い」場合でも間欠強化によって問題行動を助長してしまう事が

あります。

その場合学習してしまった行動を修正する事が非常にやっかいになります。

家族内における事前のルール設定や徹底した遵守が極めて重要になります。

間欠強化によって成立した学習の特徴は、

「刺激に対して報酬が与えられなくなった」として「行動が消失しにくい」

という点です。

ワンワン吠えたらおばあちゃんがやってきてたまにおやつをくれていた。

くれない事があるけどチャンスを逃したくないからずっと吠えよう

 

皆さんは、この記事の内容を知っていましたか?

私は、この記事を参考にして愛犬にごほうびや罰を与えようと思います。

次回は、「犬を褒めてしつける場合と罰してしつける場合の違い」について

書こうと思います。

 

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学習とは?犬の学習内容や学習パターンは?

読了までの目安時間:約 6分


皆さんは、犬にとって学習とは何だと思いますか?

犬の学習内容は何だと思いますか?

犬は、どの様に学習すると思いますか?

 

学習とは?犬の学習内容は?

「学習」は、「犬が生まれた後に物事や行動を記憶する」事や

記憶した内容の事です。

 

犬は、生まれてから死ぬまでの間に多くの事を学びます。

これは、大きく分けて初期学習と生涯学習に分かれます。

 

・初期学習

主に社会化期における犬語の学習や人や猫等犬以外の

動物に対する慣れ

この初期学習は社会化期と呼ばれる生後3~12週までの

間に行わなければなりません。

 

1.犬語の学習

「犬語」はしっぽの振り方・相手を噛む加減・服従姿勢・

支配的姿勢等犬同士の間で通じるボディランゲージの様な

物です。

これは犬同士を遊ばせる事によって自然学習させます。

 

2.人や猫等犬以外の動物への慣れ

「犬以外の動物への馴化」に関してスコットとフラー

(1965)による興味深い研究結果が報告されています。

彼らは実験用に設けられた野外の広大な敷地内で犬の群れを

自然に繁殖させました。

すると人と接触する機会を全く与えられずに生後14週まで

過ごした子犬は、その後いかにハンドリングして社会化しようと

しても人に懐きませんでした。

この事から犬を犬以外の動物へ慣れさせる為に生後14週以前の

段階で接触させる事が必要であると分かります。

 

・生涯学習

社会化期以降(13~14週齢以降)における課題行動の習得や

問題行動の矯正

これは、死ぬまで続きます。

 

1.課題行動の習得

「課題行動」は、人間と生活を共にする上でどうしても必要となる

行動の事です。

「犬を一戸建てかマンションで飼うのか?」

「犬は1頭飼いか多頭飼いか?」

「留守番は多いか少ないか?」等飼い主のライフスタイルによって

課題行動の内容は微妙に変動します。

 

2.問題行動の矯正

「問題行動」は、「飼い主が犬にやってほしくない」行動の総称です。

犬・猫の問題行動治療のパイオニアであるヴォイスとマーダー(1988)

によると問題行動の定義は「飼い主が容認できない行動・

動物自身に有害な行動のいずれか」という事になります。

 

犬の学習パターンは?

社会化期における子犬同士の遊びを通じて学ぶ事や社会化期以降に飼い主の

しつけを通して学ぶ様々な行動のほとんどは二つの学習パターンによって

犬の脳内に蓄積されます。

 

1.古典的条件付け

これは、異なる2種類の刺激を頭の中で結び付けて学習する事です。

つまりこれは、生理的反応を引き起こさない様な刺激(中性刺激)を

与えた後に生理的反応を引き起こす様な刺激(無条件刺激)を加え

続ける内に中性刺激だけで生理的反応が生じる様になるという現象を

指します。古典的条件付けの例は、次の通りです。

・ベルが鳴る→その後にエサがもらえる→以後ベルを聞いただけでよだれが出る

 

2.オペラント条件付け

これは、行動とその結果の関連性を学習する事です。つまりこれは、「ある行動を

した結果自分にとって良い事が生じて以後にその行動に対して積極的になる」事や

「ある行動をした結果自分にとって良くない事が生じてその行動に対して消極的に

なる」現象の事を指します。行動に対して消極的になっている現象は、行動の弱化

と言います。行動に対して積極的になっている現象は、行動の強化と言います。

行動を消極的にする原因は、嫌悪刺激(罰子)と言います。

行動を積極的にする原因は強化刺激(強化子)と言います。

これらを組み合わせると以下に示す様な合計4つの学習パターンが存在する事に

なります。
オペラント条件付け・4タイプ
・正の強化
これは、「ごほうびを提示して行動が増える」事です。

例 お手をする度におやつを与える事で犬が自発的にお手をする様になる。
・正の弱化
これは、「おしおきをする事で行動が減る」事です。

例 テーブルの上に乗る度にコラッと怒鳴りつける事で犬がテーブルに乗らなくなる。
・負の強化
これは、「おしおきを取り除く事で行動が増える」事です。

例 テーブルに乗っても叱らずにいると犬が調子に乗ってどんどんテーブルに上ろうとする。
・負の弱化
これは、「ごほうびを取り除くことで行動が減る」事です。

例 ワンワン吠えても無視する事で犬がだんだん要求吠えしなくなる。

 

みなさんは、この記事の内容を知っていましたか?

私は、この記事の内容を知りませんでした。

次回は、「犬にとって罰とごほうびは何か?」と「罰とごほうびの与え方」について

書こうと思います。

 

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