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エピソード記憶について

読了までの目安時間:約 13分


皆さんは、エピソード記憶という物を知っていますか?

エピソード記憶は、個人的に体験した事を覚えている

という能力です。

この能力は人間以外の動物で疑問視されていました。

しかしどうやら犬にこれに似た物があるようです。

 

エピソード記憶とは?

エピソード記憶(episodic memory)は、「長期的に

脳内に残る個人が経験した」出来事に関する記憶の事です。

例は、ラーメン屋で餃子を頼んだ・夏休みにセブ島へ行った・

ポケモンGOをしていたら人にぶつかった等です。

また「体験が生じた」時の周囲の状況やその時に抱いた感情等を

全てひっくるめてエピソード記憶に含まれます。

人間の場合日記という形でその日あった事を記録に残したり

「人生で1番恥ずかしかった事は何?」等と尋ねる事で「脳内に

エピソード記憶が保持されている」事を簡単に証明する事が出来ます。

しかし言語を持たない動物において証明する事は意外と難しいです。

なので研究者達は「動物達はエピソード様記憶(episodic-like memory)なら

持っているかもしれない」という中途半端な解釈をしています。

例は「犬をドライブに連れて行ってあげて犬がその体験をエピソード記憶として

脳内に保持してくれているかどうか実際の所分からない」という事です。

エピソード記憶の重要な特徴の1つとして偶発的記銘(incidental encoding)という

側面があります。

これは「周囲の状況を覚えようと意識していない状況で物事を覚えていて後で

その状況を思い出せる」という記憶状態の事です。

例は「昨日の朝ご飯は何?」と聞かれて「トーストとスクランブルエッグ」と答えられる様な

状態です。

朝食の内容を一生懸命覚えようとしていない状況で朝食の内容を覚えて朝食のメニューを

思い出せる理由は、「脳が自分の意思と無関係に偶発的にエピソード記憶を作り上げている」

為です。

 

犬のエピソード記憶に関する実験について

ハンガリー・エトヴェシュ・ロラーンド大学動物学部の調査チームは、犬のエピソード記憶を

証明する為に「偶発的記銘」という特徴を応用しようと思い付きました。

具体的な調査手順は以下です。

 

犬に「真似してごらん」コマンドを覚えさせる

ある特定の行動を真似する事に対して報酬を与え「真似してごらん」(Do it!)という

コマンドを出されたら人間が見せた直前の行動を反復する様に犬を訓練しました。

犬に対して「真似してごらん」というコマンドを出す事は、

「さっき見せた動きを覚えてる?」と質問しているのと同じ意味になります。

 

犬にとって初見の動きを見せた後に「真似してごらん」コマンドを出す

犬が「これまで見た事がない」と思われる対象物に働けかける様な何らかの動き

(初見の動き)を見せた後に事前の練習通り「真似してごらん」というコマンドを

出します。

この練習を繰り返す事により犬の頭の中で「人間が見せる動きに注目して

しっかり覚えよう!」という意識が強くなります。

 

犬にとって初見の動きを見せた後「伏せ」コマンドを出す

初見の動きを見せる所まではステップ2と同じです。

しかし今度は「真似してごらん」の代わりに「伏せ」のコマンドを出します。

これを繰り返す事により犬の頭の中で「人間が見せる動きは

もう覚えなくていいんだ!」という意識が強くなります。

 

動きを見せた後に「犬が自発的に伏せの状態になる」のを待つ

初見の動きを見せた後に犬が自発的に伏せの状態になることを確認します。

「犬が自発的に伏せる」という事は、「犬の意識の中に直前に見た人間の動きを

覚えなくちゃいけない!という義務感がまったくない」事を意味しています。

つまりこれは、偶発的記銘の条件である周囲の状況を覚えようと意識していない

状態を作り上げたという事です。

 

意表をついて「真似してごらん」を命じる

4で「周囲の状況を覚えようと意識していない状態」になった犬に対して

意表をついて再び「真似してごらん」コマンドを出します。

つまりこれは何かを覚えようと気を張っていない犬に対して「さっき見せた動きを

覚えてる?」と突然質問を投げかけた形です。

これは友達に対して何の脈絡もなく「昨日の朝ご飯は何だった?」と尋ねる様な物と

言えます。

 

犬の様子を観察する

ステップ5で投げかけた「真似してごらん」というコマンドに対して「犬がどの様に

反応するか」によってエピソード記憶の有無が判断されます。
もし「犬が直前に見た人間の行動を再現出来なかった」場合は「周囲の状況を覚えようと

意識していない時犬の脳内に記憶は残らない」という事です。

すなわち犬にエピソード記憶は無いと判断されます。

もし逆に「犬が直前に見た人間の行動を再現出来た」場合は、「周囲の状況を覚えようと

意識していなくても犬の脳内に記憶は残る」という事です。

すなわち犬にエピソード記憶があると判断されます。

 

調査結果は、次の通りです。

人間が犬に任意の行動を見せてから真似してごらんというコマンドを出す迄の間に1分の

インターバルを置いたら「犬が人間の動きを覚える事に義務感を抱いている」状況だと

100%で「犬が人間の動きを覚える事に義務感を抱いていない」状況だと59%でした。

また人間が犬に任意の行動を見せてから真似してごらんというコマンドを出す迄の間に

1時間のインターバルを置いたら「犬が人間の動きを覚える事に義務感を抱いている」

状況だと83%で「犬が人間の動きを覚える事に義務感を抱いていない」状況だと

35%でした。

 

「周囲の状況を記憶する事が要求されておらず何の義務感も抱いていない」にかかわらず

「インターバルが1分の時だった」時と「インターバルが1時間の時だった」時に犬達は

「人間が見せた行動を35~59%の確率で真似する」事が出来ました。

「偶然レベルを設定する事が難しい」為に「この数値が高いのか低いのか」は分かりません。

しかし少なくとも犬に体験した内容を偶発的に記銘する能力すなわちエピソード記憶的な

物を持っているという可能性が示されました。
インターバルによる成績の違いに関して1分の時より1時間の時の方が悪くなりました。

エピソード記憶のもう1つの特徴は、「エピソード記憶は時間の経過とともに薄らぎやすい」

という点です。

なので犬で見られた記憶のフェードアウト現象は、「その記憶がエピソード記憶であった」事の

証拠ではないかと推測されています。

 

犬にとってエピソード記憶とは?

ディズニーアニメの様に犬が言葉を話してくれたら、エピソード記憶の証明等数分で完了します。

しかし実際はそういう訳に行きません。

なのでハンガリーの調査で「真似してごらん」という事前訓練と「エピソード記憶が持つ」

偶発的記銘という特徴を用いて回りくどい形で証明する試みが行われました。

その結果犬にエピソード記憶があるようだという結論に至りました。

これを平たくまとめる事が「犬は自分にとって快感を与えたり苦痛を与えたりする物だけを

記憶している」と思われがちです。

しかし感情の起伏を伴わない無意味な情報をエピソード記憶として保持している可能性がある

という事になります。

しかし「インターバルが1時間である」時に「成績が落ちた」事からエピソード記憶の持続時間は

人間程長く無い様です。

 

・犬にとってエピソード記憶のメリットは?

犬のエピソード記憶は「味覚嫌悪」と呼ばれる奇妙な現象に関わっていると研究者の間で

考えられています。

味覚嫌悪は、「食事をした後に具合が悪くなった動物が直近に食べた物と具合の悪さを

リンクして記憶して以後口をつけなくなる」現象の事です。

「直近の食事が半日くらい離れていた」としてこのリンクは成立します。

味覚嫌悪という現象は「犬は賞罰と直前の出来事しかリンク出来ない」

と覚えている飼い主からすると奇妙に思えるかもしれません。

しかし「犬にエピソード記憶がある」という知見を持ち込むとすんなりと説明がつきます。

つまり犬は下痢や嘔吐という体調不良(罰)に出くわすと直前の状況や行動ではなく

数時間遡って直近の食事をエピソード記憶の中から思い出してそれと体調不良を

結び付ける様にプログラミングされているという事です。

もし「犬にエピソード記憶が無い」場合は、「散歩をしていたら具合が悪くなった!」

という様に全く無関係な直前の事象と罰を結びつけるかもしれません。

これだと犬は、また同じ物を食べて体調不良に陥ってしまいます。

 

・犬にとってエピソード記憶のデメリットは?

「犬にエピソード記憶がある」という事から「犬が現在の賞罰と過去の出来事を頭の中で

リンク出来る」と考える事は早合点でしょう。

例えば留守番中にゴミ箱を荒らした犬に対してどうしてこんな事したの!と

怒鳴り付けるとして意味がないと考えられます。

なぜなら仮に「犬がゴミ箱を荒らしたというエピソード記憶を持っていた」として

「飼い主の怒りがたくさんあるエピソード記憶の中のどれに対するものなのか」を判断する

術がないからです。

これは「自分に身に覚えがない」状態で「急に友達が冷たくなった」状況に相当します。

「自分のどの言動が相手の地雷を踏んでしまったのか」は、自分でなかなか分からないと

思います。

突如として飼い主から叱られた犬は、直前に行っていた行動と飼い主からの罰を結びつけて

玄関に出て飼い主を出迎えたから怒られたのかな?と勘違いするかもしれません。

これだとしつけの意味が全くありません。

なので「犬がエピソード記憶を持っているかどうか」に係らずしつけの基本は「犬の行動の

直後に賞罰を与える」となります。

 

犬にとって思い出作りは無意味なのか?

「犬がエピソード記憶を持っている」場合は、「犬が飼い主と出かけた」事を思い出として

心の片隅に刻んでくれるかもしれません。

ただし「犬がどのくらいの時間エピソード記憶を持ちづづけてくれるか」は不明です。

また「死の間際になって飼い主と共有した様々なエピソード記憶を思い出して

ああ、この人の家庭に飼われて良かった!と思ってくれるかどうか」は不明です。

しかし感情の起伏を伴うエピソード記憶は長く頭の中に残ります。

なので「犬がすごく楽しい!と感じた」場合は、その時の思い出を長く記憶に

とどめてくれる可能性を持っています。

これは「人間がすごく緊張した初デートやとても楽しかった修学旅行の思い出を

いつまでも忘れない」事と同じです。
犬の為に思い出づくりをする場合は、「犬の体に負担がかからない」程度に飼い主にとって

楽しい事ではなく犬にとって楽しい事を体験させてあげると良いでしょう。

 

皆さんは、この記事の内容を知っていましたか?

私は、この記事を参考にして愛犬をしつけたり

愛犬と思い出作りをしたいと思います。

皆さんもこの記事を参考にして愛犬をしつけたり

愛犬と思い出作りをして下さい。

次回は、「犬のしつけで必要な事とその教え方」

について書こうと思います。

 

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トイプードル

しつけやすい犬種としつけにくい犬種は何?

読了までの目安時間:約 3分


皆さんの飼っている愛犬の犬種は、何ですか?

皆さんは、たくさんある犬種の中でしつけやすい犬種と

しつけにくい犬種って何だと思いますか?

今回は、「しつけやすい犬種としつけにくい犬種って何」

という事で書こうと思います。

 

しつけやすい犬種としつけにくい犬種って何?

犬の外見は千差万別です。

これと同じ様に犬種ごとの学習能力に多少のばらつきがあります。
ベンジャミンとリネットのハート夫妻は、96人の専門家に対して

服従訓練をする場合最も訓練しやすい犬から最も訓練しにくい犬まで

56犬種についてランク付けをして貰いました。

またスタンレー・コレン氏は、199名の服従訓練審査員に対して

110犬種について訓練しやすい犬種順に並べて貰いました。
上記調査で挙がってきた犬種の内「コレン氏の調査で名前が登場する」

犬種をリストアップすると以下の様になります。

ハート夫妻とコレン氏両方の調査で共に名前の挙がって来た物は★印を

付けました。

この犬種リストは絶対ではありません。

しかしこのリストはしつけのしやすい犬種としにくい犬種の大まかな

目安になりそうです。

つまり犬の飼育初心者がいきなりアフガンハウンドに芸やトリックを

仕込もうとするとおそらくうまくいかないだろうという予測を

付け易くなるという事です。

 

1.訓練しやすい犬

・ボーダーコリー
・プードル★
・ジャーマンシェパード★
・ゴールデンレトリバー★
・ドーベルマン★
・シェットランドシープドッグ★
・ラブラドールレトリバー★
・パピヨン
・ロットワイラー
・オーストラリアンキャトルドッグ
・ウェルシュコーギーペンブローク
・ミニチュアシュナウザー

 

2.訓練しにくい犬

・アフガンハウンド★
・バセンジー
・ブルドッグ
・チャウチャウ★
・ボルゾイ
・ブラッドハウンド
・ペキニーズ★
・ビーグル★
・マスティフ
・バセットハウンド★
・シーズー
・ブルマスティフ
・ラサアプソ
・チワワ★

 

皆さんは、この記事の内容を知っていましたか?

私の愛犬は、トイプードルでこのリストに

挙がっている様にしつけやすいです。

皆さんもこのリストを参考にして犬購入を検討してみて下さい。

次回は、「犬のエピソード記憶」について書こうと思います。

 

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トイプードル

犬が持っている能力は?しつけにおけるその活用法は?

読了までの目安時間:約 13分


今回は、「犬が持っている能力」と「それがしつけを

する際どの様に利用出来るか」について書こうと思います。

皆さんは、犬が持っている能力って何だと思いますか?

しつけにおけるその活用法は何だと思いますか?

犬が持っている能力は何?

短期記憶能力

犬の短期記憶能力すなわち「犬が一時的に記憶を保持する」能力を実験した結果

「犬は2~3秒くらい前の事なら正確に想起出来る」という結論が導かれました。

犬の短期記憶力を測定する際研究者達は主に「視覚移動」と呼ばれる手法を

用いました。

 

手順は以下です。

 

1.4つの全く同じ箱を用意する
2.実験者が箱の中の一つにおもちゃを隠す
3.隠したおもちゃを取りに行く様に犬をしつける
4.おもちゃを隠した箱と犬の間をついたてで仕切り

一定時間犬から見えない状態にする
5.一定時間が経過後ついたてを取り犬におもちゃを取りに行かせる

 

「犬と箱を仕切っていたついたてが取り払われた」時もし「犬がおもちゃの

隠された箱に直行した」場合犬が「あの箱の中におもちゃがあった」という記憶を

保持している事の証拠になります。

逆にうろうろ迷った挙句全ての箱を手当たり次第に開けていく場合犬はおもちゃの

位置を記憶していないという事になります。
実験の結果「ついたてで仕切る時間が2~3秒である」場合ほとんどの犬が正しい箱に

直行出来ました。

しかし「ついたてで仕切る時間が30秒を超える」と正解率が徐々に低下する事も同時に

明らかになりました。

すなわち「犬が確実に思い出せる」事は、せいぜい2~3秒前の出来事であると判明しました。

その後2015年に行われた調査で犬の短期記憶能力は平均すると71秒であると発表されました。

やはり2~3秒前の事を思い出すより30秒前の事を思い出す時に時間が掛かってしまう事に

変わりはありません。

回想能力

犬の回想能力すなわち過去の出来事と現在の出来事を結び付けて理解する能力を示す事例によると

犬は過去の出来事と現在の状況の因果関係を結びつけられません。
バーナード大学の認知心理学者であるアレクサンドラ・ホロウィッツは、犬の「罪悪感」に関する

興味深い実験を行いました。

 

具体的な手順は以下です。

 

1.犬と飼い主を別々の部屋に待機させる
2.犬のいる部屋におやつを置く

3.犬がおやつを食べるかどうかを犬の自由として犬の様子を観察する
4.飼い主が犬の部屋に入る前に「犬がおやつを食べてしまった」と他人が飼い主に伝える。
5.飼い主が部屋に入る。

6.犬を普段通りのやり方で叱ってもらう

 

結果は、「犬の中に確かに罪悪感を抱いていると思わせる様な後ろめたいしぐさを見せる犬が

いた」でした。

具体的な犬の行動は目を背ける・おなかを見せる・しっぽを下げる・飼い主から遠ざかるでした。

この結果の興味深い事は、こうしたしぐさを見せた犬の中に実際におやつをつまみ食いしておらず

罪悪感を抱く筋合いのない犬も含まれていたという点です。
こうした事実からホロウィッツ氏は、「犬が罪の意識を感じている」様な行動を取る心理は過去に

「自分が行った」悪い行動を振り返って反省しているのではなく今目の前にいる飼い主のいかにも

怒っている様な雰囲気を察したためであると結論付けています。

つまり犬は過去の出来事と現在の状況の因果関係を結び付けているわけではないと言えます。
2016年にハンガリーで行われた調査で犬に人間と同じ様に体験を長期的に記憶する

エピソード記憶と呼ばれる物を備えている可能性が示されました。

しかしエピソード記憶を持っているとしても現在の賞罰が、過去の膨大な数のエピソード記憶の内

どれを対象としているのかを犬に教えなければ意味を成しません。

人間の場合は言葉を使って「ピンポンダッシュをしてはいけません!」と伝えられます。

しかし犬の場合はそれを出来ません。

模倣能力

「猿真似という言葉が示す」様に霊長類は他の個体の動きやしぐさを真似する能力を持っていると有名です。

この能力は霊長類同様に犬に備わっています。
ニューヨーク市立大学に勤めているアドラー夫妻は、ダックスフントを用いて犬の模倣能力に

関する実験を行いました。

 

具体的な手順は以下です。

 

1.ダックスフントを2頭1組にする
2.1頭を実行役もう1頭を観察役に設定する
3.おやつの入ったカートをレールの上に置いてカートについたリボンを引っ張るとおやつを

取れる様にする
4.実行役をカートのそばに置き、ヒントを与えずに自力でおやつを取れるまで待つ
(観察役は金網越しに実行役の様子を観察させる)
・この観察を5回繰り返す
5.観察役をカートのそばに置き、ノーヒントでおやつが取れるまで待つ
6.おやつを取り出すまでのタイムを計測し、実行役のものと比較する

 

結果は、「全く予備知識を持たない状態で取り掛かった実行役の平均タイムが590秒(約10分)

だった」に対し「あらかじめ正解動作を観察していた観察役の平均タイムは、わずか40秒」

という物でした。

「かかった時間が1/10以下である」という実験結果から「犬が他の個体の動作を見てそれを

模倣する能力がある」事が示されました。
また南アフリカの警察犬学校で行われた実験で同様の結論が導き出されています。

この実験で用いられた犬はジャーマンシェパードの子犬20頭でした。

犬達に生後6~12週までの間に週数回「母犬が麻薬の入った袋を探し回収する」様子を

観察させました。

生後6ヶ月齢になった時にこれらの子犬を用いた回収能力テストが行われました。

結果は、「子犬たちの85%が、麻薬犬として合格ラインである5点以上を獲得する」

という物でした。

更に麻薬犬として完全な訓練を受けた犬達と何ら遜色のない10点満点中9点という高得点を

20頭の内4頭が取るという快挙まで成し遂げます。
全く予習していない子犬の平均合格率が19%であるという事実と考え合わせると85%という

極めて高い合格率は、「犬達が他の犬の行動を観察するだけで学習出来る」という可能性を

強く示す物と言えます。

動作読み取り能力

ハーバード大学の心理学者であるブライアン・ヘア氏は、犬の動作を読み取る能力について実験を行いました。

これはエサの場所を人間のジェスチャー(指をさす・指で叩く・見つめるなど)だけから

理解させるという物です。

結果は、「犬はジェスチャーの意味をチンパンジーの4倍早く読み取る」・

「正解率に関して犬は人間の子供の2倍である」という物です。
オオカミを用いて同様の実験を試みた所「おおかみの点数は犬よりはるかに低かった」

という事実や人間と接する機会の無かった生後9週齢の子犬でオオカミやチンパンジーより

好成績を収めたという事実から「犬の持つ動作読み取り能力は祖先であるオオカミから

受け継がれた」物ではなく犬という種だけに発達した特殊な能力であるという推察が

なされています。

なので動作読み取り能力について議論が続いています。

聞き取り学習能力

イギリス・デモントフォート大学のスー・マッキンリーらは、人間の会話内容だけで

「犬が物とその名称を記憶出来る」事を証明しました。

 

実験手順は以下です。

 

1.二人の人間がハンマーを持ちながら、「ハンマー」という単語が最後に来る様に会話する
(犬に会話の様子を観察させる)
2.犬に「ハンマーをとってこい」と命じる
3.犬がハンマーそのものと「ハンマー」という単語を記憶しているかどうかを確認する

 

結果は、「会話の最後に単語が差し挟まれた」時だけという条件付きで「犬は人間の会話を

聞くだけで単語を記憶出来る」という物でした。

更に犬の目の前でハンマーを見せながら「ハンマー」という音を繰り返す事で

覚えさせた標準訓練グループと比較して作業を実行するスピードや正確さに差は

見られなかった。

非言語的コミュニケーション能力

非言語的コミュニケーション(ノンバーバルコミュニケーション)は、

身振り・姿勢・表情・視線・服装・髪型・声のトーン・声質等言葉以外の要素を通じて相手に

意思を伝える事です。

ジェスチャー等の多くは文化によって異なります。

しかし怒り・失望・恐怖・喜び・感動・驚き等人間の持つ基礎的な感情に対する表情は、

世界共通とされています。
非言語的コミュニケーションに関して犬は多少能力を持っています。

2010年にサラ・マーシャルらは、「犬は人間同士だけのコミュニケーションから個々の

人柄を理解出来るか」というテーマで実験を行いました。

 

実験手順は以下です。

 

1.3人の役者(物乞い・寛大な人・利己的な人)を用意する
2.寛大な人が物乞いのお願いを聞き入れてお金を差し出す様子を犬に見せる
3.利己的な人が物乞いのお願いを無視する様子を犬に見せる
4.舞台上から物乞いを退場させて寛大な人と利己的な人だけにする
5.犬を舞台上に上げる

6.2人の内どちらに近づこうとするかを確認する

 

結果は、「多くの犬が寛大な人と触れ合いを求め利己的な人といるより長い時間を一緒に

過ごそうとした」という物でした。
また2006年、ジョン・ブラッドショー氏らは、「家庭内における人間と別の犬の関係を

理解出来るか?」というテーマで実験を行いました。

 

実験手順は以下です。

 

1.人と犬が遊べる部屋とそうでない部屋を設ける
2.1の部屋で楽しそうに遊ぶ様子を犬に観察させる
(もう1部屋でつまらなそうに遊ぶ様子を犬に観察させる)
3.犬をそれぞれの部屋に開放する。

4.リアクションを観察する

 

結果は、「犬は楽しそうに遊んでいた犬や人(特にゲームの勝者)に近づこうとする反面

つまらなそうにしている犬や人に近づこうとしなかった」という物でした。
こうした幾つかの事例を考察すると犬は観察を通じて相手の人間に対する接し方を

変えています。

すなわち犬は人間の発する非言語的なメッセージをある程度読み取る能力を持っていると

言い換えられそうです。

犬が持っている能力はどの様にしつけに生かせるか?

・犬の短期記憶能力や回想能力は、「犬がした」行動の直後に褒めたり叱ったりすると

生かされます。

・犬の模倣能力は、新しく迎えた子犬をしつける時に先住犬の姿をあらかじめ

見せておくと生かされます。

・犬の動作読み取り能力は、ハンドジェスチャーによる指示を教えると生かされます。

・犬の聞き取り学習能力は、「おいで、ジョン!」と言うのではなく「ジョン、おいで!」

という具合に犬に対する指示語を最後に持って来ると生かされます。

・犬の非言語的コミュニケーション能力は、大袈裟に笑顔を作る等動作を大袈裟にすると

生かされます。

 

皆さんは、この記事の内容を知っていましたか?

私は、この記事の内容を参考にして愛犬のしつけをしようと思います。

次回は、「しつけやすい犬種としつけにくい犬種は何?」について書こうと思います。

 

 

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トイプードル

犬のランキング意識について

読了までの目安時間:約 17分


皆さんは、犬にランキング意識ってあると思いますか?

ランキング意識は、しつけに関係してくると思いますか?

今回は、「ランキング意識」について書こうと思います。

ランキング意識のしつけに対する影響は?

長らく「イヌは小型のオオカミである」という通念から犬も

オオカミと同じ様に支配的ランキング意識にのっとって行動するという

考えが幅を利かせていました。

なのでこの考えに沿ったしつけ本が書店にあふれていました。

これは、いわゆる「犬は家族のメンバーをランキングしている」という物です。
これに対し近年犬をオオカミと同様に考えてはいけないとする新たな思潮が

にわかに生まれて従来の考え方とこの考え方の間で対立構造を生んでいます。

平たく言うと犬の支配的と見られる行動の多くは、「ドッグトレーナーが生徒達に

説明しやすい」様に作り出した幻影にすぎないという物です。
さてこうした対立の背景には動物行動学の分野における最新の研究の他に

動物愛護者から犬に対して暴力も辞さない様な一部の極端なドッグトレーナーに

対する心理的な反発がある様に思われます。
しかし犬のしつけ本を手に取る多くの飼い主にとって関心事は、

「犬にランキング意識があるのかどうか」という点ではなく「ランキング意識の

有無によって最終的にしつけの仕方が変わるのかどうか」という点だと思います。

結論から言うと犬にランキング意識があろうとなかろうとしつけの仕方は大きく

変わりません。

たとえばランキング意識の肯定論者と否定論者の考え方の違いを端的に表すと

以下の様になります。
・犬にランキング意識があるとする派
犬がリードを引っ張る⇒自分をリーダーだと思い込んでいる

⇒犬にリーダーウォークのしつけをする

 

・犬にランキング意識がないとする派
犬がリードを引っ張る⇒引っ張る事と報酬が結びついている

⇒犬にリーダーウォークのしつけをする

ランキング意識を左右する物は?

ランキング意識を左右する物は、次の通りです。

・犬種

・性別

・性格

・不妊手術の有無

・繁殖期かどうか

・飼育頭数

・飼育環境

・ストレスの有無

犬種について

犬種によって理解できる犬語に大きな開きを持ち「外見がオオカミに近ければ近い」程

「オオカミがよく用いる」犬語を理解する事ができます。

こうした事実から「外見がオオカミに近い」程オオカミの習性を色濃く遺伝子に残していると

仮定するとシベリアンハスキーとパグの中に芽生えるランキング意識が同じとちょっと考え

づらくなります。
またWright(1991)の研究で「ジャーマンシェパードによる縄張りに関する攻撃行動が強い」・

「咬傷事故を起こす確率が高い」という結果が出ています。

「犬種によってランキング意識の発現する度合いが変動する」という事は、大いにありそうです。

2.性別について

「縄張りを主張する掛け尿(後足を上げておしっこをする)という行動がメスよりオスに多く

見られる」事からメスよりオスの方が他の個体より上になろうとする「ランキング意識が強い」と

考えられます。

3.性格について

マイケル・ローリーが12群のサバンナモンキーの群れを通して行った実験によると支配的な性格と

脳内伝達物質セロトニンの間に明確な相関関係があるようです。

これは「セロトニン値が高い」個体程「攻撃性が低い」・「落ち着きがありリーダーとして適性を

備えている」という物です。
このデータから考えるともし「セロトニン値に先天的な差がある」ならば、「個体ごとの支配性は

ある程度生まれつきの性格というものによって左右される」と考えられます。

4.不妊手術の有無や繁殖期かどうかについて

閉ざされた環境で飼育されたオオカミの間に繁殖期において明らかなランキング意識が

見られました。

これは、繁殖する優先順位をなるべく上げようとする本能的な衝動だと思われます。

こうした事から不妊手術の有無や繁殖期かどうかという点が、犬の本能的なランキング意識の

スイッチを入れるかどうかを左右する様に思われます。

5.飼育環境について

屋外飼育されている犬は、家の前を通過する人や車により常に「縄張り意識が刺激されている」と

考えられます。

こうした「本能的な部分が常に活発化している」犬において同じく本能的なランキング意識は

強まっているかもしれません。

6.ストレスの有無について

「散歩が少ない」・「飼い主と触れ合う事が少ない」・「留守番が長い」等のストレスに

さらされている犬は、他の犬や飼い主に対して支配的であり攻撃的に振舞う事によりストレスを

発散するという事を考えられます。

犬のランキング意識に対する否定論者と肯定論者の意見はどんな物なの?

犬のランキング意識に対する否定論者の意見は?

動物行動学者のジョン・ブラッドショーは著書「犬はあなたをこう見ている」の中で

従来当たり前と考えられてきた「犬のランキング意識」という物に対し根本的な

疑問を投げかけているランキング意識否定論者の内の1人で彼の主張を要約すると

以下です。
常に群れの中でトップに立ち他のメンバーを支配したがる傾向は、動物園の中で

飼育されているオオカミに見られそもそも野生のオオカミの物ではない。
動物園のオオカミは、「確かに競争心と敵意に基づく支配行動が見られる」けれど

同じ様な状況に置かれた犬は階層社会を作らない。
人間に束縛される事なく自由に生きている野犬を観察するとオオカミと全く別の

行動様式を持っており他の個体を支配しようとする顕著なランキング意識は見られない。
こうした論拠からブラッドショー氏は、「犬がランキング意識を持ち常に他の個体を

支配しようと虎視眈々と狙っている」という考えを「ドッグトレーナー達が作り上げた」

幻想であると主張しています。

更に彼は、「実際に犬の見せる支配的と思われる行動は、RHPモデルという単純な

行動様式に則って生み出される」と推論しています。

RHPは「Resource Holding Potential」の略であり「資源保持能力」と訳されます。
犬のRHPモデルは、次の通りです。
犬は目の前にあるエサやおもちゃに対する純粋な欲求から行動するので

ランキング意識等ない。
欲しい物を手に入れる際「競争相手がいる」場合は、排除しなければならない。
ライバルを排除しようとする時は、自分の欲求の度合いと競争する時の勝率を計りに

掛けて逃走か闘争かを決定する。
この様に「犬の行動の裏にランキング意識や支配欲等という物は無い。」・「犬は単純な

RHPモデル(資源保持能力)を行動原理にしている」とジョン氏は主張しています。

つまり犬は「私達が考えている」より猫的な振る舞いをするという事です。
また犬の行動学研究者であるアレクサンドラ・ホロウィッツ女史は、

著書「犬から見た世界」(P74~)の中で「犬がオオカミから受け継いだ」物は

序列意識ではなく社会性であるとして従来の犬=オオカミモデルを間違った理解と

断言しています。

犬のランキング意識に対する肯定論者の意見は?

全ての行動とランキング意識を絡める程極端でない物のアメリカで

カリスマドッグトレーナーと呼ばれるシーザー・ミランは、犬のランキング意識肯定論者の

代表格と言えます。

彼は犬の心理状態をリハビリするための施設「ドッグサイコロジーセンター」を

ロサンゼルスに持ちそこで飼育されている30~50頭近い犬達のリーダーとして君臨しています。

彼は家庭犬の問題行動の主要因の1つとして飼い主のリーダーシップの不足を挙げて「穏やかで

毅然とした態度で行動の最初を飼い主が行う」事や「飼い主が犬に対して物や場所の独占を

許さない」事等を主な解決策として用いています。
彼は2002年から放映されているナショナルジオグラフィックチャンネルの番組

「ザ・カリスマドッグトレーナー~犬の気持ちが分かります~」(原題:Dog Whisperer)を通じて

世の中に犬の支配的ランキング意識という概念を流布させた人物の一人と言って良いです。
また「犬の科学」(築地書館)の著者であるスティーブン・ブディアンスキーは、社会的序列を

受け入れるという生まれつき犬に備わっている能力は、「彼らが人間社会に適合する」上で

かけがえのない資質でこの本能を持たなければ「そもそも犬という動物はありえなかった」(P70)

としてオオカミや犬全て虎視眈々とトップの座を狙っている出世主義者であると述べています。

オオカミと犬の生態観察について

野生のオオカミ・人間に飼育されているオオカミ・人間と隔絶された状態で生きている野性の

犬(野犬)の観察を通じてそれぞれの特徴が明らかになりました。

これらの観察結果は、飼育されている犬の生態を考える上で貴重な資料になりそうです。

野生オオカミの生態

L・デビッド・ミーチ博士は、1958年からミネソタ・カナダ・イタリア・アラスカ・

イエローストーン国立公園等において数多くのオオカミの観察を行った世界的に有名な

オオカミ研究の権威でありカナダ・ノースウエスト準州(現ヌナヴト準州)の

エルズミーア島で13年に渡って野生のオオカミの観察を行いました。

 

・不特定多数の群れではなく家族単位で暮らす
・序列第一位という概念自体がない。
・家族を支配するオオカミは親オオカミである。

・子オオカミは序列をめぐって親に戦いを挑まない。
・一匹狼は、群れから追放された弱いオオカミではなくパートナーを探して放浪している

オオカミである。

人間に飼育されているオオカミの生態

Zimen(1982)、Packard(985)、Ginsburg(1987)らによる人間に飼育されている

オオカミの生態に関する研究報告は次の通りです。

アルファは群れの中で序列第一位の個体を指します。

ベータは群れの中で序列第二位の個体を指します。

 

・オオカミの群れは、繁殖の為に最も地位の高いオスとメスの1組のつがいと

「自分達が産んだ」子獣達から構成されている。
・アルファオスとアルファメスは、攻撃的行動を用いて残りの群れのオオカミの繁殖を邪魔する。
・群れの中でメス・オスそれぞれのランキング制度がある。
・高位のオオカミ同士の間で順位の差がきわめて明確。
・中間階級の成獣や子獣の間でほとんど差がない。
・最も年齢の高いオオカミが階級の頂点を占める傾向にある。
・アルファオスとアルファメスの間に支配関係はほとんどないかあっても微弱である。
・アルファメスは繁殖期やその前になると群れの中の他のメスに対して明らかに高い攻撃性を

示す。
・アルファオスの場合侵入者に対して攻撃性が強くなる。

・アルファオスの場合他の群れの仲間に対してそれほど高い攻撃性は示さない。
・序列第二位に位置するベータオスがアルファオスに対して直接攻撃的にならない。
・地位の低い狼達は、群れの内外いずれに対して社交的である。

 

Mech(1970)やJenks & Ginsburg(1987)らの研究によりオオカミの群れは、支配的及び服従的

行動パターンと呼ばれる特殊な行動によってお互いの階級を認識していると分かりました。

 

1.支配的行動パターン

・支配的姿勢
直立姿勢で立ちはだかる構え。耳翼を立てるか前方に傾けてしっぽを上げるか側方に向ける。
・架背行動
支配的地位のオオカミは、服従的地位のオオカミの肩に両前肢をかける。
・口吻を押さえ込む行動
支配的地位のオオカミは服従的地位のオオカミの口吻を口で挟んで地面に押さえ込む。
・またがって立つ行動
横たわったオオカミの上半身の上にまたがって立つ。

 

2.オオカミの服従的行動パターン
・服従的姿勢
うずくまったり耳翼を頭部にひきつけたり前額を平滑にしたり口角を後方に引いたり視線や頭部を

下げて反らしたりする。
・背中を丸める
背中を大きく曲げて首を側方に丸めて頭を下げて口吻を上方に引き上げてしっぽを丸めて耳翼を

頭部にひきつけたりしっぽを巻いて耳翼を頭部にひきつけた格好で地面にひっくり返り片方の

後肢を上げて陰部を露にしたりする。
・服従的座位
後肢を崩して座りあごを胸に埋めたり前肢で掻く行動をしたり視線や頭部を反らす格好を

したりする。

 

野生の犬の生態

1984年から87年にかけてL.Boitaniらは、イタリアのアブルッツォ地区において野犬観察を

行いました。

観察結果は、以下の通りです。

・野犬の群れの大きさは、「生活状況や地域が変わる」としても2頭~6頭というほぼ同じ様な

傾向に収まる。

 

・「オスとメスがつがいとなる」・「その子獣が群れに加わる」という構成である

・イタリア南部における観察で「オスメスいずれかのパートナーが死亡したりいなくなった」

場合は、「集落内で放浪していた他の犬がその後釜に座る」という状況が認められる。

・地位の低いメス犬の繁殖を制限しようといった状況は認められない。

・発情期に通りすがりの犬達と一時的に一緒になるという光景が観察される。

・野生の犬は、自分達にとって食料提供の場になっていたゴミ集積場で互いにケンカせず毎朝

運搬されて来る新しい生ゴミのビニール袋を上手に口で引き裂いていた。

・生まれた子犬の育児は母犬によって行われます。

・オスは寝起きしている場所からかなり離れた場所にある巣穴(巨岩の間や大きな岩盤の下に

出来た自然の洞穴)にまで足を運ぶ。

・縄張り意識は、標高の高い休息場である中核領域に近ければ近いほど強くなり吠えたり

追いかけたり侵入してきた相手に積極果敢に近づいたりという行動を取る。

 

人間に飼われている犬の生態

「人間に飼われている犬の環境が、野生状態に近いのか飼育状態に近いのか」という観点を

持つと「人に飼われている犬の生態は野生オオカミ・人間に飼われているオオカミ・野生の犬の

生態の内どの生態に近いか」という問題の答えがおのずと見えてきます。

すなわちペット犬の暮らしている環境に最も近い環境は、飼育されているオオカミという事です。
室内飼いの場合は、家やマンションという隔離された空間に閉じ込められています。

外飼いの場合は塀や敷地という区切られた空間内に閉じ込められています。

またエサは自分達で探し回らず人間によって定期的に運ばれてきます。

繁殖は好き勝手に出来ず多くの場合人間の管理下で行われます。

こうしたペット犬の飼育環境を野生のオオカミや野犬の暮らしている環境と同一視する事は、

到底出来ません。

つまりこの事は、ペット犬を頭ごなしに野生のオオカミや野犬と同格とみなせないという事を

意味しています。

 

皆さんは、この記事の内容を知っていましたか?

私は、この記事の内容を念頭に置いて愛犬のしつけをしたいと思います。

次回は、「犬が有していると思われる能力は何か」という事と「その能力はしつけをする際に

どの様に利用できるか」という事について書こうと思います。

 

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犬の販売時期は?

読了までの目安時間:約 4分


皆さんは、いつ頃犬の販売をすれば良いか知っていますか?

今回は、「犬の販売時期」について書こうと思います。

犬の販売時期は?

アメリカのロスコー・B・ジャクソン記念研究所および、

その後に行われた盲導犬の研究(Pfaffenberger. 1976)等から

犬との暮らし方や訓練方法についての2つの指針が示される様になりました。
訓練時期
成犬になった時に、遭遇する環境に子犬の頃から徐々に慣らしていく事が

重要であり、できれば8週齢以前に開始して絶対に12週齢を超えてはならない。
家庭に迎える時期
子犬と人間との間に密接な関係性を築く為に生後6~8週齢が最も重要である。

この時期がペットとして家庭に迎え入れるのに最高のタイミングである。

こうした指針を論拠にして現在、日本国内のペット業界は生後45日から

60日くらいの子犬や子猫を売っています。

これは、早く飼い主の元に届けないと大事な社会化期が終わってしまうという事の他に、

「日齢が進む」程「子犬や子猫は大きくなると母性本能をくすぐる様なかわいらしさが

徐々に無くなる」事で「売り上げが落ちてしまう」という事情です。
一方、一部の動物愛護派は「この販売時期は動物の性格を形成する上で重要な

社会化期の絶頂期(6~8週齢)とバッティングする」為に「将来的に攻撃性等問題行動の

遠因となる可能性がある」として反対の姿勢を示しています。
国で2012年8月22日に民主党の環境部門会議で動物愛護法改正案が了承されました。

これにより生後56日(8週齢)以下の子犬や子猫について、繁殖業者からペット販売業者へ

引き渡す事が禁じられました。

これは上記した通り子犬を親から早期に引き離すと、十分な社会性が身につかず将来的に

問題行動が多発して飼い主が飼育放棄するという犬猫殺処分の一因を減らす事を目的とした

物です。

法施行後の3年間は、生後45日(6週齢ごろ)となっています。

その後は「生後49日」(7週齢)としています。

施行後5年以内に{「生後56日」(8週齢)が適切かどうか}を環境省が改めて調査・検討する

という流れになります。

これは、ペット業者と動物愛護派のちょうど中間を取ったような法案です。
因みにSlabbertとRasaの実験(1993)によると、生後6週齢で母犬から隔離された子犬は

12週齢まで母犬と一緒に育った子犬に比べて食欲不振・体重減少・ストレス感受性の増大・

病気にかかる率と死亡率の上昇を見られるとしています。

これは「生後6~8週齢が犬を家庭に迎え入れる最適な時期である」という提言に対する反証と

なっています。

 

皆さんは、この記事の内容を知っていましたか?

犬をペットショップ等から買う時の参考にして下さい。

次回は、「犬のランキング意識」について書こうと思います。

 

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