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犬にとってごほうびと罰とは?与え方は?

読了までの目安時間:約 11分


皆さんは、犬にとってごほうびと罰って何だと思いますか?

どの様に犬にごほうびや罰を与えれば良いと思いますか?

犬にとってごほうびと罰とは?

 

ごほうび

・えさやおやつをあげる
・なでる
・ほめる
・おもちゃで遊ばせる
・散歩をする
・かまってあげる

 

ごほうびの中でえさやおやつ等生理的な快感を引き起こすごほうびは

一次強化子と呼ばれます。

なでたりおもちゃで遊ばせたり散歩したり等「犬が率先してやりたがる」

行動はプレマック型強化子と呼ばれます。

 

また「犬に注目する・犬に関心を寄せるという事自体が犬にとってごほうびになる」

という点は重要です。

「この知識がない」と飼い主にその気はなくても知らず知らずの内に犬の

問題行動を助長してしまう事があります。

 

床の上でお漏らしした時に「あら~!だめじゃない!」と

甲高い声で犬に駆け寄る

 

・苦い物を与える
・犬を叩く等の体罰を与える
・落下音等の爆発音を発生させる
・無視する
・閉じ込める
・えさを与えない

 

数ある罰の中で体罰は最も望ましくない物です。

体罰は、「罰を与えている人が飼い主である」と

犬が認識した状態で嫌悪刺激を与える事です。

これは、犬を手で叩いたり蹴ったり鼻ピンをしたり

するという直接的な物から犬に石を投げたり犬を

棒で叩いたり犬に付けているチョークチェーンを

グイッと引っ張るという間接的な(道具を用いる)物まで含みます。

盗み食いをした犬を平手で叩いたとします。

犬は叩かれた肉体的不快感と手のひらを結びつけて覚えます。

この犬が散歩中に「子供が寄ってきて犬の頭をなでようと手を出してきた」とします。

犬の中で「手のひらと不快が結びついている」ので犬は反射的に子供の手に

噛み付いてしまうかもしれません。

 

犬に許容される範囲の罰はサプライズです。

これは、苦痛を与える事より驚かせる事を主目的とした罰です。

これはかつて「天罰」(誰が主体かわからない罰・間接罰)と呼ばれていた概念です。

天罰を適用する際は、犬に対して強い不快感を味わわせる事に重点が置かれていました。

しかしヴォイス・ボーチェルト・ブラックショー等数多くの先人達の助言(罰は動物を

ハッと驚かせてその行動を妨害して再開のあらゆる企てを即座に中断させる物である事)

にのっとり近年は徐々に「犬を驚かせてひとまず行動を中断させる事」に比重が

移って来ています。

 

・視覚的サプライズ
いきなり顔の上に布をかぶせて視界をさえぎる
・聴覚的サプライズ
小石を入れた空き缶(ガウ缶)を犬の後ろに投げつけて大きな音を出す
・嗅覚的サプライズ
酢を薄めたスプレーを噴霧する
・味覚的サプライズ
噛み付き防止剤(ビターアップル)を使う
・触覚的サプライズ
ヘッドカラーを軽く引く

 

サプライズを使用する事は、「サプライズを与えるタイミングが難しい」事や

「犬がサプライズになれてしまいやすい」事や動物福祉の観点等使用するに当たっては

知識と習熟を要します。

全ての犬がほめて育てるしつけ方に反応するわけではありません。

なので私達はこれらのサプライズも次善策として覚えておかなければなりません。

 

サプライズを含めた嫌悪刺激を与える事は相応のリスクを持っています。

私達は、それらを併せて念頭に置く様にしなければなりません。

以下は「米国獣医動物行動研究会(AVSAB)が罰について採択している」

声明文の具体例を交えた要約です。

 

・サプライズを与える正しいタイミングが必要
問題行動と嫌悪刺激を関連付ける為にオペラント条件付けの基本にのっとり「行動が発生して

1秒以内(できれば0.5秒)に罰を与える」事をしなければなりません。

しかしこのタイミングを常に遵守する為に飼い主は習熟を要します。

 

・罰に一貫性が必要
問題行動に対して罰を与えたり与えなかったりという状況を作るとそれは結果的に犬を間欠強化

している事になります。

家族全員が一貫して同じ行動を徹底しなければなりません。

それは時として非常に困難です。

 

・適度な強度が必要
「犬が我慢できる」程度の弱い罰からスタートすると犬はどんどんその罰に慣れていきます。

しつけ効果を実感できない飼い主が、罰の度合いを上げるとします。

しかし犬は慣れながらその強度に順応していきます。

結果として「問題行動が直らない」ままいたずらに犬に不快感を与える事になり

飼い主・犬にとってこれは大変な負担になります。

 

・過度の罰は身体的障害を与える
首を絞めるチョークチェーンは首の血管や神経を痛めつけたりします。

 

・刺激に対する鋭敏化を招く
アラーム音に引き続き電流が流れるショックカラーでしつけられた犬は、他のアラーム音を聞いて

恐怖を覚えます。

つまり「今まではなんとも無かった」物が、突如恐怖の対象になってしまいます。

 

・攻撃行動の誘発
犬を力づくでねじ伏せるアルファロールやドミナンスダウンは、時に犬の攻撃行動を

誘発します。

 

・問題行動の根本原因を放置する
「うなる等の行為が恐怖等によって引き起こされている」場合は

仮に「問題行動が見られなくなった」としても根本的な原因を解決してません。

更に「うなる等の行為が攻撃前の威嚇行為として発せられていた」場合は、

「こうした行為が表面化しなくなった」事により結果として予告無しの先制攻撃を誘発する

危険性を持っています。

 

・人と罰を関連付ける危険性がある。
天罰で「そばに飼い主がいる」場合犬は、不快感と飼い主をリンクしてしまう可能性を

持っています。

「ショックカラーで電流が流れた」瞬間に「目の前に飼い主の姿がある」と犬は、

飼い主と不快感をリンクして学習してしまうかもしれません。

 

・望ましい行動をとらせる事が難しい
SSDRの様な生得的な反応以外を罰を与える事で教える事は困難です。

SSDRは、「種特異的防御反応」の事です。

これは、怒りや恐れ等「動物が不快な感情を味わっている」時に見せる自然なリアクションです。

例 耳をつねられた犬がキャンと鳴いて口をあけるなどです。

一般的に嫌悪刺激を用いて犬をしつける場合は、実現しようとしている犬の動作にSSDRを

含んでいる事を理想とします。

 

ごほうびと罰の与え方は?

・ご褒美をあげる前に犬をじらす(遮断化・刺激剥奪)

 

・一つの行動に快と不快を同居させない

(一つの行動に快か不快のどちらか一方だけを結びつける)

 

・タイミングに気をつける

 

古典的条件付けの場合

古典的条件付けにおける賞罰のタイミングは中性刺激の直後です。

 

オペラント条件付けの場合

オペラント条件付けにおける賞罰のタイミングは「行動が発生している」最中か直後です。

 

・犬に接する人が一貫性を持つ

犬にごほうびや罰を与える時は、接する全ての人で一貫性を持つ。

これは、連続強化と間欠強化の二パターンあります。

 

連続強化
これは、ある行動をとった時常に同じ賞罰を与える事です。

連続強化によって成立した学習の特徴は、「刺激に対して報酬が与えられなくなると

じきに刺激を与えても反応が起こらなくなる」という事です。

これは反応の消去と呼びます。

ワンワン吠えたら飼い主がやってきていつもおやつをくれてたのに最近おやつをくれなくなった。

疲れるだけだから吠えるのや~めた

 

間欠強化
これは、ある行動に対して賞罰を与えたり与えなかったりする事です。

「報酬が与えられない」場合でも「もしかしたらという期待感がある」限り

「行動が消失する」事はありません。

家族の中の一人でもルールを破って犬に無計画な賞罰を与えしまうと

「その気は無い」場合でも間欠強化によって問題行動を助長してしまう事が

あります。

その場合学習してしまった行動を修正する事が非常にやっかいになります。

家族内における事前のルール設定や徹底した遵守が極めて重要になります。

間欠強化によって成立した学習の特徴は、

「刺激に対して報酬が与えられなくなった」として「行動が消失しにくい」

という点です。

ワンワン吠えたらおばあちゃんがやってきてたまにおやつをくれていた。

くれない事があるけどチャンスを逃したくないからずっと吠えよう

 

皆さんは、この記事の内容を知っていましたか?

私は、この記事を参考にして愛犬にごほうびや罰を与えようと思います。

次回は、「犬を褒めてしつける場合と罰してしつける場合の違い」について

書こうと思います。

 

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トイプードル

学習とは?犬の学習内容や学習パターンは?

読了までの目安時間:約 6分


皆さんは、犬にとって学習とは何だと思いますか?

犬の学習内容は何だと思いますか?

犬は、どの様に学習すると思いますか?

 

学習とは?犬の学習内容は?

「学習」は、「犬が生まれた後に物事や行動を記憶する」事や

記憶した内容の事です。

 

犬は、生まれてから死ぬまでの間に多くの事を学びます。

これは、大きく分けて初期学習と生涯学習に分かれます。

 

・初期学習

主に社会化期における犬語の学習や人や猫等犬以外の

動物に対する慣れ

この初期学習は社会化期と呼ばれる生後3~12週までの

間に行わなければなりません。

 

1.犬語の学習

「犬語」はしっぽの振り方・相手を噛む加減・服従姿勢・

支配的姿勢等犬同士の間で通じるボディランゲージの様な

物です。

これは犬同士を遊ばせる事によって自然学習させます。

 

2.人や猫等犬以外の動物への慣れ

「犬以外の動物への馴化」に関してスコットとフラー

(1965)による興味深い研究結果が報告されています。

彼らは実験用に設けられた野外の広大な敷地内で犬の群れを

自然に繁殖させました。

すると人と接触する機会を全く与えられずに生後14週まで

過ごした子犬は、その後いかにハンドリングして社会化しようと

しても人に懐きませんでした。

この事から犬を犬以外の動物へ慣れさせる為に生後14週以前の

段階で接触させる事が必要であると分かります。

 

・生涯学習

社会化期以降(13~14週齢以降)における課題行動の習得や

問題行動の矯正

これは、死ぬまで続きます。

 

1.課題行動の習得

「課題行動」は、人間と生活を共にする上でどうしても必要となる

行動の事です。

「犬を一戸建てかマンションで飼うのか?」

「犬は1頭飼いか多頭飼いか?」

「留守番は多いか少ないか?」等飼い主のライフスタイルによって

課題行動の内容は微妙に変動します。

 

2.問題行動の矯正

「問題行動」は、「飼い主が犬にやってほしくない」行動の総称です。

犬・猫の問題行動治療のパイオニアであるヴォイスとマーダー(1988)

によると問題行動の定義は「飼い主が容認できない行動・

動物自身に有害な行動のいずれか」という事になります。

 

犬の学習パターンは?

社会化期における子犬同士の遊びを通じて学ぶ事や社会化期以降に飼い主の

しつけを通して学ぶ様々な行動のほとんどは二つの学習パターンによって

犬の脳内に蓄積されます。

 

1.古典的条件付け

これは、異なる2種類の刺激を頭の中で結び付けて学習する事です。

つまりこれは、生理的反応を引き起こさない様な刺激(中性刺激)を

与えた後に生理的反応を引き起こす様な刺激(無条件刺激)を加え

続ける内に中性刺激だけで生理的反応が生じる様になるという現象を

指します。古典的条件付けの例は、次の通りです。

・ベルが鳴る→その後にエサがもらえる→以後ベルを聞いただけでよだれが出る

 

2.オペラント条件付け

これは、行動とその結果の関連性を学習する事です。つまりこれは、「ある行動を

した結果自分にとって良い事が生じて以後にその行動に対して積極的になる」事や

「ある行動をした結果自分にとって良くない事が生じてその行動に対して消極的に

なる」現象の事を指します。行動に対して消極的になっている現象は、行動の弱化

と言います。行動に対して積極的になっている現象は、行動の強化と言います。

行動を消極的にする原因は、嫌悪刺激(罰子)と言います。

行動を積極的にする原因は強化刺激(強化子)と言います。

これらを組み合わせると以下に示す様な合計4つの学習パターンが存在する事に

なります。
オペラント条件付け・4タイプ
・正の強化
これは、「ごほうびを提示して行動が増える」事です。

例 お手をする度におやつを与える事で犬が自発的にお手をする様になる。
・正の弱化
これは、「おしおきをする事で行動が減る」事です。

例 テーブルの上に乗る度にコラッと怒鳴りつける事で犬がテーブルに乗らなくなる。
・負の強化
これは、「おしおきを取り除く事で行動が増える」事です。

例 テーブルに乗っても叱らずにいると犬が調子に乗ってどんどんテーブルに上ろうとする。
・負の弱化
これは、「ごほうびを取り除くことで行動が減る」事です。

例 ワンワン吠えても無視する事で犬がだんだん要求吠えしなくなる。

 

みなさんは、この記事の内容を知っていましたか?

私は、この記事の内容を知りませんでした。

次回は、「犬にとって罰とごほうびは何か?」と「罰とごほうびの与え方」について

書こうと思います。

 

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トイプードル

再生医療について

読了までの目安時間:約 13分


皆さんは、再生医療って知ってますか?再生医療は、人間や動物の

体の一部欠損を幹細胞等を用いて機能を回復させる治療法です。

これは、切れた尻尾を自力で再生するトカゲやイモリの能力を

医療の分野で再現するという事です。

実は、再生医療って動物と人間の両方に使われてるんです!

今回は、「再生医療が、動物にどの様に使われてるか?」を

書こうと思います。

 

再生医療について

 

再生医療に用いられる製品は、「再生医療等製品」と呼ばれます。

これは、2014年11月25日に施行された「医薬品・医療機器等の品質・有効性及び安全性の

確保等関する法律」の中で「身体の構造や機能の再建や修復や形成」・「疾病の治療や予防」を

目的として人間や動物に使用される物の中で人間や動物の細胞に培養その他の加工を施した

物または人間や動物の疾病の治療に用いられる物の中で人間や動物の細胞に導入されて体内で

発現する遺伝子を含有させた物という定義付けをされています。

再生医療等製品の種類は様々です。しかし「医薬品・医療機器等の品質・有効性及び安全性の

確保等に関する法律施行令 別表第二」において以下の様に分類がされています。

 

・ヒト細胞加工製品

これは、ヒト体細胞加工製品やヒト体性幹細胞加工製品やヒト胚性幹細胞加工製品や

ヒト人工多能性幹細胞加工製品を含みます。

 

・動物細胞加工製品

これは、動物体細胞加工製品や動物体性幹細胞加工製品や動物胚性幹細胞加工製品や

動物人工多能性幹細胞加工製品を含みます。

 

・遺伝子治療用製品

これは、プラスミドベクター製品やウイルスベクター製品や遺伝子発現治療製品を含みます。

 

再生医療等製品の中に頻繁に登場する「幹細胞」は、動物の体を構成するさまざまな細胞を

作り出す「分化能」や自分と全く同じ能力を持った細胞に分裂する「自己複製能」を兼ね

備えた細胞の事です。「どのような組織に分化するか」によって以下の様な区分があります。

 

・全能性(totipotency)
単一の細胞が胚体外の組織も含む全ての細胞に分化出来る能力です。

具体的な細胞は、「受精卵」です。
・多能性(pluripotency)
内胚葉(胃の内膜・消化管・肺)や中胚葉(筋肉・骨・血液・泌尿生殖器)や

外胚葉(表皮組織・神経系)が、どの系統にでも分化出来る能力です。

具体的な細胞は、「胚性幹細胞」(ES細胞)や「胚性腫瘍細胞」(EC細胞)や

「胚性生殖幹細胞」(EG細胞)や「核移植ES細胞」(ntES細胞・体細胞由来ES細胞)や

「人工多能性幹細胞」(iPS細胞・ 誘導万能細胞)等です。
・複能性(multipotency)
細胞が、前駆細胞から近い系統の細胞にだけ分化出来る能力です。

具体的な細胞は、「造血幹細胞」や「間葉系幹細胞」等です。
・少能性(oligopotency)
細胞が、数種類の細胞型にのみ分化出来る能力です。

具体的な細胞は、「血管幹細胞」や「神経幹細胞」等です。
・単能性(unipotency)
細胞が、ただ一つの細胞型にだけ分化出来る能力です。

具体的な細胞は、「筋幹細胞」や「生殖幹細胞」等です。

 

「再生医療等製品」の中にある人や動物の「体性幹細胞」は、生体内にある分化し終えていない

細胞の事です。具体的な細胞は、骨髄から採取される「造血幹細胞」や脂肪から採取される

「間葉系幹細胞」等です。これらは、成人の組織サンプルから簡単に採取出来るので別名で

「成体幹細胞」や「組織幹細胞」と呼ばれ分化能的に「複能性」に属します。

 

「再生医療等製品」の中にある「胚性幹細胞」は、動物の胚盤胞(発生の初期状態)の中にある

内部細胞塊(将来胎児になる細胞の塊)から分化能を保ったまま取り出した細胞の事です。

これは、別名で「ES細胞」と呼ばれ分化能的に「多能性」に属します。成人の体内から採取出来ず

「胚盤胞を壊す必要がある」という点で「体性幹細胞」と「胚性幹細胞」は異なります。

 

「再生医療等製品」の中にある「人工多能性幹細胞」は、数種類の遺伝子を体細胞へ導入する事により

胚性幹細胞と同等の分化能を持たせた細胞の事です。これは、別名で「iPS細胞」と呼ばれ分化能的に

「多能性」に属します。これは、「胚盤胞を壊す必要が無い」という点で「胚性幹細胞」と異なります。

またこれは、遺伝子を人工的に導入するという点で「体性幹細胞」と異なります。

 

動物に対して行われている再生医療は、免疫細胞療法と幹細胞療法です。

これらは、それぞれ2つの療法に分かれます。

 

免疫細胞療法

 

特異的免疫療法

この療法は、免疫細胞の一種である樹状細胞をすりつぶしたガン細胞と一緒に培養して

ガン細胞だけを狙い撃ちする能力を与え樹状細胞を増殖させて体内に戻してガン組織だけを

特異的に攻撃(縮小)します。

これは、別名で「樹状細胞-ガン抗原認識型活性化リンパ球療法」(DC-CAT療法)と呼ばれます。

 

非特異的免疫療法

この療法は、犬や猫の血液を10~12ml採取して中に含まれるリンパ球を回収して薬剤に

よって活性化と増殖を行いおよそ1,000倍に増殖させた後に点滴で体内に戻します。

これは、ガン細胞を狙い撃ちしません。しかし免疫力が、全体的に高まります。

その為にこの療法は、小さなガン組織に有効です。

これは、別名で「活性化リンパ球療法」と呼ばれます。

 

幹細胞療法

 

骨髄幹細胞療法

この療法は、犬や猫の骨髄液から骨髄幹細胞だけを取り出して培養・洗浄した後に患部へ

直接注射したり点滴によって体内に投与したりします。

この療法は、別名で「MSC療法」と呼ばれます。

 

脂肪幹細胞療法

この療法は、犬や猫の皮下脂肪から脂肪幹細胞だけを取り出して培養・洗浄した後に患部へ

直接注射したり点滴によって体内に投与します。

この療法は、別名で「ADSC療法」と呼ばれます。

 

「幹細胞療法」の具体的な治療対象は、骨や脊髄や関節です。

 

犬や猫を対象とした獣医療の分野で医師の自由診療という形で再生医療が人間同様に行われて

います。しかし「飼い主がしっかりとした知識を持っていない」場合は、トラブルを引き起こして

しまいます。真新しい治療法に飛びつく前に飼い主は以下の様なポイントは押さえておくべきです。

 

治療法の選択肢として適正かどうか?

飼い主は、ある疾患に対する治療法として本当に幹細胞治療しかないのかどうかを確認して

下さい。「他に有効な選択肢がある」に係らず「金になる」という理由で高額な幹細胞治療を

押し付けてくる獣医師がいるかもしれません。

幹細胞治療の手順を確認する。

飼い主は、幹細胞をどのように採取してどのように培養してどのように体内に戻すかを

医師に確認します。「麻酔のリスクが高い」時等は、治療を受けないと正解になります。

医師から考えられる合併症を教えて貰えるかどうか?

小動物を対象とした調査や人間を対象とした治療でこの治療法は、肺塞栓により死亡

してします。飼い主は、「担当医が口頭なり資料なりでしっかり説明してくれる」事を

確認します。聞かないと答えてくれない様な場合や聞いても適当にはぐらかす様な

場合は、あまり誠実な態度と言えません。

受けようとしている治療に治療の先例があるか?

受けようとしている治療に先例があるかどうかを確認します。

例えばマウスを対象とした治療例しかない場合は、可愛いペットを実験台にしてしまう

という事になりかねません。

その病院の実績を教えて貰う

その病院が同様の治療に関しどの程度の実績を持っているかを確認します。

飼い主は、担当医から出来れば成功例・失敗例・無反応例をパーセンテージで示して貰って

下さい。しっかりとした病院ならばそうしたデータを把握してすぐに提示する事が出来る

はずです。

 

国内における再生医療の市場規模(臨床・研究・創薬応用の総計)は、2012年で172億円・

2020年で945億円・2030年で5,514億円・2040年で1兆1,399億円・2050年で

1兆2,847億円と試算されています。

こうした成長に乗り遅れまいと2015年12月に富士フイルムとペット保険の

アニコムホールディングスが、動物の再生医療を扱う合弁会社を設立しています。

また2016年8月に大日本住友製薬の子会社「DSファーマアニマルヘルス」が「J-ARM」と

提携して犬の他家組織由来間葉系幹細胞製剤の共同臨床開発を進めて2018年度を目処に

動物用細胞医療製品の申請を目指す事を明らかにしています。
一方規制面で農林水産省が平成26年度(2014年)から平成30年度(2020年)までの予定で

「動物用再生医療等製品の安全性試験等開発事業」という事業を実施しています。

目的は、動物用細胞加工製品の製造や販売承認を申請する際に目安とする製品の品質や

安全性を確保する為にガイドラインを作成する事です。

例えば2014年に「動物細胞加工製(同種由来)の品質及び安全性確保に関する指針(素案)」が、

動物用ワクチン-バイオ医薬品研究会のウェブサイトで公開されています。
現在動物や人間を対象とした実験的な幹細胞治療が世界中で着々と進行中です。

「幹細胞による再生が試みられている」部位は、以下の通りです。

 

神経系

脳神経細胞(パーキンソン病・アルツハイマー病・筋萎縮性側索硬化症・多発性硬化症・脳梗塞)

脊髄神経細胞(脊髄損傷・ヘルニア)

 

循環器系

心筋細胞(心筋梗塞)

赤血球(貧血)

白血球(白血病)

 

消化器系

歯(歯周病)

膵臓のβ細胞(糖尿病)

 

感覚器系

蝸牛絨毛細胞

角膜

網膜

視神経

 

筋骨格系

骨(変形性関節症)

軟骨

靭帯

瘢痕組織(ケロイド・火傷)

 

生殖器系

精子細胞(男性不妊)

 

2014年11月「医薬品医療機器等法」と同時に施行された「再生医療等安全性確保法」で

再生医療がリスクによって3種類に分類されました。

 

・第1種再生医療
これは、「ヒトに対する治療実績がない」高リスクな物を指します。

例は、ES細胞やiPS細胞等です。
・第2種再生医療
これは、「ヒトに対する治療が現在実施中である」中リスクな物を指します。

例は、体性幹細胞等です。
・第3種再生医療
これは、体細胞を加工する等リスクの低い物を指します。

 

安全性と有効性が十分に確認された場合は、人医療の現場のみならず獣医療の現場において

通常の治療行為として導入されていくかもしれません。ただし治療法に関する研究調査の裏で

非常に多くの犬達が、人為的な障害を負わされたり治療成果を評価するために殺されたり

しています。私達は、「再生医療がもたらしてくれる」恩恵だけでなくこうした暗い側面に

目を向けなければなりません。

 

皆さんは、この記事の内容を知っていましたか?

私は、この記事を参考に愛犬に再生医療を受けさせようと思います。

皆さんもこの記事を参考にして愛犬に再生医療を受けさせてあげて下さいね。

 

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トイプードル

体重減少が犬の運動能力にどの様な影響を及ぼすか?

読了までの目安時間:約 2分


前回は、犬のダイエット計画を進めていく上でついついやって

しまいがちな失敗と予防法について詳しく書きました。

今回は、体重減少が犬の運動能力にどの様な影響を及ぼすかを

検証した調査報告について書こうと思います。

 

皆さんは、

「体重減少が犬の運動能力にどの様な影響を及ぼすか」を検証

した調査報告はどのような物だと思いますか?

 

以下は、「体重減少が犬の運動能力にどの様な影響を及ぼすか」

を検証した調査報告です。

 

1.Impellizeriによる調査(2000年)
腰椎の骨関節炎を有する9頭の肥満犬の症例検討試験において11~18%の体重減少により

後ろ足の跛行(足を引きずる事)の程度が有意に改善した。

 

2.Mlacnikによる調査(2006年)
29頭の肥満犬をカロリー制限と理学療法の組み合わせによって治療して犬の運動性の改善や

体重減少の促進が認められた。

 

3.Kealyによる調査(2000年)
食事の摂取を長期間減らした犬において骨関節炎の有病率と重症度が、低下した。また長期に

渡る食事摂取量の25%制限は、骨関節炎を含む慢性疾患の症状の発症を遅らせ平均寿命を

延ばす可能性を持っている事を明らかにした。

 

4.Smithらの調査(2006年)
制限食はラブラドールレトリバーの腰椎骨関節炎のX線学的所見の発現を遅らせたり予防する

事を明らかにした。

 

皆さんは、この記事の内容を知っていましたか?

私は、この記事を参考にして愛犬を太らせない様に

したいと思います。

 

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トイプードル

犬のダイエット計画を進めていく上でついやってしまいがちな失敗とその予防法

読了までの目安時間:約 8分


 

前回は、「犬のダイエット計画を評価する」事について

書きました。

今回は、犬のダイエット計画を進めていく上でついついやって

しまいがちな失敗とその予防法について書こうと思います。

皆さんは、犬のダイエット計画を進めていく上でついついやって

しまいがちな失敗とその予防法って何だと思いますか?

犬のダイエット計画を進めていく上でついついやってしまいがちな

失敗をせずに愛犬にダイエットをさせる自信はありますか?

 

1.盗み食い

ダイエットで小腹がすいた犬は、「飼い主が見ていない」隙を狙って盗み食いするかも

しれません。こうした状況を生まない様に食べ物の保存は厳重にして下さい。また鳥を

飼っている家庭において「犬が鳥のエサを盗み食いする」というケースがあります。

そして多頭飼いの家庭において「他の犬に用意したエサを別の犬が食べてしまう」

という事があります。こうした状況を生まない様に「ダイエット中の犬が盗み食いを

しない」様にしっかり監督しながらダイエット中の犬だけ隔離する事が必要です。

 

2.おすそ分け

「他の人が善意から犬にくれる」おすそ分けは、「ダイエット中」という事を伝えて全て

断る様にします。また家族内でダイエットに対する共通理解をしていないとせっかく食事

制限しているのに「おばあちゃんが知らない間に犬にボーロを与えていた!」という状況が

生じるかもしれません。「家族全員が肥満のリスクを理解する」事で家族全員が行動を統一

しなければなりません。

 

3.無駄吠えの増加

犬は今まで貰えていたご褒美を急に貰えなくなった時「何か忘れていませんか? 」という

意味を込めてギャンギャンと要求吠えを繰り出します。この現象は「消去バースト」と呼び

ます。消去バーストに対する対処法は「無視」です。犬のうるささに根負けして一度でも

おやつを与えてしまうと犬は味をしめて今後更に激しく吠える様になります。なので家族

全員で首尾一貫して無視を決め込み一度の例外もなく態度を徹底する事が重要です。

 

4.プラトー

人間の場合と同様理論的に正しい事をしているに係らず「なかなか体重が減らない」事が

あります。これは「プラトー」と呼ばれます。プラトーの発生理由は、「摂取エネルギーの

減少に伴い体全体の代謝低下による消費エネルギーが減少する」事です。1ヶ月程様子を見て

体重に変化を見られない様であれば摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスを微調整する

事が重要です。これが新しいエネルギーバランスを作り出します。ただし急激に食事量を減ら

たり運動量を増やしたりする事は犬の心身に対する負担を増加させるので避けて下さい。

例えば摂取エネルギーを「RER×1.4」にしている場合は、やや減らして「RER×1.3」に

すると妥当です。

 

5.不妊手術の影響を考えない

オス・メス係らず不妊手術後は「体重が増加する」傾向にあります。もしダイエットで体重を

減らした後に手術した場合はそれまでと同じ食事量を与えていると再び太ってしまうので

要注意です。1986年にオス犬4,109頭・メス犬3,828頭を対象として行われた調査では

未去勢オスの肥満率が16.6%だったのに対して去勢オスで37.9%・未避妊メスの肥満率が

21.8%だったのに対して避妊メスで45.3%となっています。ざっくり言うと不妊手術を

受けた犬の肥満率は2倍になるという事です。一般的に避妊・去勢手術をした後の摂取カロリー

は、安静時エネルギー要求量×1.6とされています。飼い主は、この計算式から必要カロリー数を

導き出して体重や体型の変化をモニターして下さい。「体重が増加傾向にある」場合はカロリー数を

減らして下さい。逆に「体重が減少傾向にある」場合はカロリー数を少し増やして下さい

 

6.リバウンド

リバウンドは「ダイエットによって一度減った体重がしばらくすると元に戻り逆にダイエット

前より増えてしまう」状態の事です。急激な食事量の減少や断食は、体内における脂肪以外の

組織(除脂肪体重)を減らしてしまいます。その結果本来エネルギーを消費してくれるはずの

筋肉まで減らしてしまい犬が、太り易い体質になってしまいます。せっかくダイエットに成功

したに係らず再び肥満に陥ってしまう事が度々あります。犬の肥満再発を予防する際最も重要

事は飼い主の意識を変える事です。「犬が肥満に陥る」原因は、肥満を誘発する内科的病気

除くとほとんど飼い主の管理不足です。日々の摂取エネルギーを管理している飼い主の意識

変革しなければ、また容易に犬の肥満を再発させてしまいます。

 

列挙する様な考え方は以下の5つで全て改めなければなりません。

 

・飼い主に必要な意識変革

1・自分も太っている為に犬の肥満を責められない

 

2・太っている方が可愛く見える

 

3・肥満は病気ではない。

 

4・餌を与える自分を神の様に扱ってくれる事が嬉しい

 

5・太っている事は「生活が豊かである」証だ。

 

リバウンドを起こし易いタイミングは以下の3つです。

 

・リバウンドを起こし易いタイミング

1.ダイエット開始直後

今まで適当な感覚で行っていた給餌を厳密なルールに従って行う様になると飼い主は

面倒臭さを感じて食餌量を戻してしまいます。

 

2.プラトー期

理論的に正しい事をしているに係らずなかなか結果を出せないと「やっても無駄だ!」

という具合にモチベーション低下により食餌量を戻してしまう事があります。

 

3.計画終了直前

ある程度の結果を出すと飼い主の緊張の糸が切れてしまいます。そうするとご褒美と

称していつもより多めの食事を与えてしまう事があります。

 

飼い主はこうした落とし穴にはまらない様に注意しておかなければなりません。

 

皆さんは、この記事の内容を知っていましたか?

私は、愛犬にダイエットをさせる際に

犬のダイエット計画を進めていく上でついつい

やってしまいがちな失敗をせずに予防したいと

思います。

 

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